ストレスへの対応

氣を出して下さいというと、なぜか氣が引っ込む。

氣を出そうとして力が入ってしまうからのようだ。

何かをやろうと思うと、無意識に体のどこかに力が入る。

身体のどこかに力が入ると、その部分に滞りが生じる。

何が滞るかというと全身に流れている「氣」。

外部から自分のどこかに負荷がかかった時、氣の滞りがなければ、その負荷は自分の身体全体に分散していく。

別の言い方をすると、全身で負荷を支えることができる。

しかし、身体のどこかに力みがあり、そこで氣が滞っていると、外部からの負荷は滞りのある部分に集中する。

つまり、部分で受けることになる。

そのため、大きな負荷を受けたときの圧力が大きくなってしまい、場合によっては身体の部分が壊れる。


負荷には、身体的負荷と精神的負荷がある。

物理的負荷は合氣道でもお稽古しているように、他者との身体的接触によって生じたり、重いものを持ち上げたりする際に生じる。

精神的負荷は人間関係だったり、置かれている環境などから受ける違和感から生じたりする。


ここでいう負荷はストレスと同義だ。

合氣道のお稽古の内容を精査していくと、ストレスへの対処方法についても学んでいるように思えてくる。

お稽古では、動的であれ静的であれ、他者と接触する場面が多々あり、その際に、接触部に氣を奪われて本質を見失い、自分のバランスが崩れたり、相手を投げられなかったりという結果になることがよくある。

これはストレスに反応してしまって身体の部分で他者からの負荷を受けてしまうと、自身のパフォーマンスが低下してしまうということの具体的事例だ。

そこで、このストレスを部分で受けず、身体全体で支える、あるいは全身を通して外部に流していくという心と身体の使い方を学んでいく。

お稽古では、身体的な接触を題材としてストレスへの対処方法の理解を深めていると考えられる。

一方で、日常生活などで精神的にストレスが加わった時にも身体は同様の反応を示し、どこかに力が入るようだ。

だから、対処方法としては身体的ストレスへのものと同じ。

ただ、この力みを自覚できると良いのだが、なかなか自覚できないのが現実。

であれば、精神的ストレスを感じたときがチャンスで、その時の自分の状態を観察する。

どこかに力が入っていない?

眉間に力が入っていない?

奥歯を噛みしめていない?

喉のあたりに違和感がない?

お腹に力が入っていない?

拳を握りしめていない?

目に力が入っていない?

肩に力が入っていない?

呼吸が浅くなっていない?


なので、常に自分の精神状態を観察している必要がある。

気持ちに違和感を覚えたらすぐに滞りを流していくように、心と身体を操作する。


理想的には、常に滞らないように身体操作を行い続ける。

力みがないか、自分自身を常時観察して、瞬間瞬間で調整していく。

だから休んでいる場合ではない、常に微調整を繰り返すので、ずーっと細かく時には大きく動き続けていることになる。


これらを無意識でできるレベルに持っていく。



先生は、習慣を変えようとするなら、まずは1年間やり続けなさいと言っていた。

1年続けると習慣を変えることができる。

これをやると、次に習慣を変えたいと思っときは半年続けることで変えられるようになる。

次は3か月で変えられる。

その次はひと月。

そこからはすぐに変えられるようになるとのことだ。


一瞬で無意識を変えられるレベルに到達するまで1年10か月。

力を抜いて取り組んでいく。


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