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揺れる気持ちと浮気の予感の先に
私がG社に退職願を出したのは7月で、実際の退職日は半年後の1月いっぱい。次のことは何も考えず、「とにかく辞めたい」という一心でした。ただ、なんとなくYの様子が少し変わったように感じていて…いや、もしかしたら同棲を始めた頃から、私たちの関係に微妙なズレが出始めていたのかもしれません。付き合って4~5年、関係が長くなるとどうしてもすべてが「当たり前」に思えてしまうんですよね。
私にとってYは初めて「真剣に向き合った」相手で、ある意味では初恋に近い存在だったのかもしれません。自分のためだと気合が入らない手料理も、Yのためなら頑張れるし、料理自体は嫌いじゃなかったから、「おいしい」って言葉が聞けるのが嬉しくて…。特にハンバーグが好きだったみたいで、「うまい」って言いながら食べてくれる姿が私には嬉しくて、自己肯定感もあがった気がします。
私たちが住んでいた部屋も、まさに理想そのものでした。広々とした窓やリビングに、築浅のきれいな物件。私たちは賃貸で借りていたけど、分譲マンションだけあって住人の雰囲気も良くて、居心地が最高でした。
でも、そんな幸せな暮らしの中で、ある日、Yの携帯をふと見たとき「Tinder」というマッチングアプリがインストールされているのを見つけたんです…。それ以来、妙に落ち着かない気持ちと、何か良くない予感に苦しめられることに…wYの携帯にはロックがかかっていたから直接中身を確認することはできない。でも、予測変換の機能ならロックがかかっていても見れるはず…と気づいて、そこからはもう探偵みたいな気分でした(笑)
ひとつずつ予測変換を見ていくと、聞いたことのない女性の名前が出てきて、そのあとの言葉も、どう考えても何かしら「会っている」ような雰囲気を感じさせるものでした。のぞいてしまった罪悪感と、何か知りたくないことを見てしまったような不安感でいっぱいでした。でも当時のYは、「お祭りの準備」だとか「コンビニ」だとか理由をつけて、出かけることも多くて…。今となっては曖昧な記憶だけど、なんだか色んな違和感が頭をよぎっていた時期でした。
続く…