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父の本音、母の愛、そして私の葛藤

私のエゴ、そして家族の本当の気持ち

仕事を続けながら、父のそばにいられる時間は限られていました…父を一人にするのが怖かった。あの夏の猛暑、父が誰もいない部屋で過ごすのかもしれないと考えると、その不安は果てしなく膨らみました。

7月中旬ぐらいかな?ようやく介護申請が通り、介護用ベッドも届きました。ケアマネジャーさんとの契約も進み、プロの方々のサポートが少しずつ整っていきました。でも、それでも、他人に任せるのが怖かったんです。プロの方だから安心できるはずなのに、父のことを100%理解してくれるわけではない。毎日来てくれるわけでもない。私だったら…と考えると、そんな現実が、どうしても私を不安にさせました。

母の負担と、私のエゴ

父の世話をしている母の姿を見るたびに、胸が締めつけられる思いでした。母はどんどん痩せていく気がして…。父の介護に加え、家の仕事や家事までこなしている母の負担は計り知れません。夜も父を気にして眠れない日が続いていたと思います。

だからこそ、私が帰省している間は、せめて母に睡眠や心の余裕を持ってほしいと思いました。自分が父を気にかけることで、母の負担を少しでも減らせたら…そう考えて動いていました。

でも、今振り返ると、母はそんなことを望んでいなかったかもしれません。それは私のエゴだったのかもしれません。「人のために役に立ちたい」という気持ちは、相手がそう感じて初めて成立するもの。でも、こちらの押し付けが、相手にとっては不快なこともある。いままでの人生それを何度も何度も繰り返してきた自分がいます。

私はきっと、軸が他人に向きがちなんです。「人のために」と思いながらも、本当は自分が安心したかったのかもしれない。自分の課題は、自分に軸を向けることなんだと、いまも思っています。

入院を考えた日

父も母のことを気にしていたのか、二人で「入院」について話すようになりました。私はどこかでその話を煽るような言い方をしてしまったのかもしれません。母はきっと反対だったと思います。

父のいとこで看護師をしている方に相談すると、「お父さんがどうしたいか、それだけが大事だ」と言われました。

…父の口から出てきたのは「お母さんを楽にしてあげたい」というような言葉でした。いつも怒鳴り合ったり、言い合ったりしていた二人なのに、結局は「お互いが一番大切」。その事実に気づいたとき、胸がきゅーっと締めつけられる思いがしました。

父の本当の気持ち

家族という存在は、不思議なものです。誰かが介入すると、時に本当の気持ちを押し殺してしまうこともある。父も、母も、自分の本当の気持ちをどれだけ表現できていたんだろうか。そう思うと、私は胸が痛くなるばかりです。

「お父さん、本当はどうしたかったんだろう。」

父の願いをちゃんと聞けていたのか。本当に父が望んでいたのは何だったのか。お父さん、ごめんね。

続く…

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