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守りに入る心と、新しい世界での経験

1年通って、1年休学。自分でも、もう戻ることはないだろうと思っていたんです。でも、心のどこかには「高校中退」という過去が引っかかっていて、「守り」に入っていたのかもしれません。それは、もしかしたら「周りの目」から自分を守るためだったのかもしれません。先生たちにも本当にお世話になったし、恩返ししたい気持ちもありました。

それに、もう一つはバイトのこと。ラウンジBでのバイトは続けていましたが、事故をきっかけに、色々と考えるようになりました。もともと水商売に対して、ポジティブなイメージだけを抱いていたわけではありませんでした。親の影響もありましたし、昔から「いつかは昼間の仕事でバリバリ働きたい」と思っていたんです。キャリアウーマンに憧れていた私は、どこかでばりきゃり(バリバリのキャリアウーマン)になりたいという気持ちが強かったんです。

それでも、ラウンジBだけでなく、友達のKに誘われて、さらに高級層が集まるクラブでも時々働くようになりました。Kの紹介で、あるとき叔父様たちとお食事に行く機会があったんです。その時に出会った叔父様Aは、その後もお食事に誘ってくれたり、色々と面倒を見てくれました。育った環境や家庭では贅沢なんてできなかった分、この世界での華やかな経験は、私にとって特別なものでした。もちろん、それだけが目的ではなかったけれど、それでも私には新鮮で特別な世界に足を踏み入れた気がしていました。

これまでの人生では、こんなにちやほやされることもなかったし、叔父様たちと食事をするなんて経験もありませんでした。それも、ただの叔父様ではなく、経営者や会社の上層部の人たち。いろんな世界を見せてもらったと感じました。また、ラウンジBやクラブでも、「私に」会いに来てくれるお客様がいることが、とても嬉しかったし、やりがいにもなっていたんです。「必要とされている」と感じられることは、自分の中で大きな支えにもなっていた一方で、「お金」が絡んでくることで、いろいろ考えさせられることも多かったです。

そんな中で、私の中で一つだけ決めていたことがありました。それは「20歳の誕生日を迎えたらラウンジBを卒業する」ということ。次のステージへ進むために、そう決めていました。

続く…

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