手品:笑った後には隙がある理論
今回も私のやってるサイト『トリックスタジオ』のコラムを紹介。
※少し書き換えたり変更したり追加したりしてます。
手品の中には色んな理論があります。
その中の一つの理論ですが…
「笑った後には隙がある」理論です。
まぁ、理論の名前が分からないので勝手にそう呼んでますが、
理論の内容は次の様な感じです。
“お客さんにジョークを言って笑った時や笑った直後には、
注意力に隙が出来ます。その隙に秘密の動作をすれば、
お客さんに気づかれる可能性が少なくなる”という理論です。
この理論に関する感想を書きたいと思います。
まず、この理論…、正解だと思います。
でも私は使いません。
何故か…?
その辺りを書いていきましょう。
『今から手品をします』と言った時点で、
見ている方は注意力が散漫になります。
普通に見ている人は、注意力も普通のままなんですが、
中には「騙されたくない」と思う人も居てる訳で、
そんな人は注意力が散漫になります。
そんな中で何か秘密の動作をしたら、怪しまれます。
なのでその状態で笑いを取れたら注意力は下がり、隙が出来ます。
その時に、秘密の動作をすれば、お客さんには気づかれる可能性は低くなり、マジックを成功させる事が出来るでしょう。
とまぁ、理論自体はこんな感じです。
この理論は成り立ってると思うのですが…、
ここからはあくまで個人的な意見ですが…、
不思議な現象が起きた時に「いつだろう…」と逆算された時に、
「あの笑った時だ!」ってなったりだとか、
笑っている時に妙な動きに気づかれた時に、
お客さんはこう思うでしょう…
「次からは笑わないでおこう…」。
これってお客さんがマジシャンに対して、信用や信頼関係が下がるんですね。
トリックを成功させたいが為にこの理論を使うには、リスクが大きい様に私は思います。
まぁ賛否あると思いますが、上記の理由で、私はこの理論は使いません。
※ここから少し追加。
まぁ、言えばお客さんは素直に見る人ばかりではない事を頭に置いておかないといけません。
お客さんによっては「騙すか騙されるかの勝負」みたいに思っている人も居ます。そういう人って、何か話をしていても演者の手元から一切目を離さなかったりします。
最初から「勝負」をしに来てるんですよ。
演者によっては『そんな人は見に来なくていい』と思う人も居ますが、どんなお客さんが来るか分かりませんからね。
そんな訳の分からない勝負は必要ありません。
❝自分の好きな手品を見て楽しんでもらう❞
重要なのは、その気持ちだと思います。
TRICK STUDIO