僕が自分のルーティーンに考えた事や試した事。
ルーティーンとは、マジックを演じる順番の構成を差す。
このルーティーンは、マジシャンなら当然、前もって考えていて、その順番に沿って演じていく。
僕も昔はルーティーンを組んで演じてました。
そうやって演じていて、ちょっとした謎がありました。
同じルーティーンを同じテンポ、同じセリフで演じているのに、ウケる時とウケない時がある事。
この差を考えてみました。
おそらくお客さんの好みだろうと思いました。
“好み”とは?
この“好み”を僕なりに分解して考えました。
まず一つ考えられるのは僕の人間的な部分。
これに関しては、中々変えられないです。
ですが、服装や髪型や喋り方等で伝わる物はありますが、ここを変えるのは、完全に見えない被り物をする事になるので、大変な部分も出てきます。
なので、人間的な部分はあまり考えない様にしました。
次は手品の好みです。
お客さんがイメージしてた手品と違ったとかになります。
この部分を考えた時、答えは一つしか有りませんでした。
それは演じながら、お客さんの空気を感じて、対策するしか無いと。
…となると、ローティーンってモノが邪魔になってきます。
演じる前からルーティーンを決めてましたが、演じ始めたら違う空気を感じる事があります。
でもルーティーンを決めて入っているので、変えることが出来ません。
そう考えたら答えはコレしか有りません。
“ルーティーンを決めない”です。
コレを思って、ルーティーンを決めずに入りました。
お客さんの好みは何なのか?
探りながら演じて行こうとしたのですが、結果から言うと何も分かりませんでした。
まぁ、当然です。
お客さんと話をしてるだけで、何も分かりません。
そこで考えたのは、少し手品をして様子を見る事。
これで何となく伝わる物がありました。
その様子を感じて、演じる手品を変える様になりました。
テーブルホップで演していた僕は、この方法を実践し続けました。
最初の方のルーティーンを演じて空気を感じ、その後の手品を変えていく。
この方法を繰り返して行くと、演じ慣れなのか、試して演じてる手品が段々とウケる確率が上がってきました。
何となく『これとこれを演じて、様子を見て、反応が良ければこのまま演じて…』と、やってた手品がウケる様になってきて、結局毎回演じる様になりました。
これがルーティーンになりました。
ルーティーンを無くす方向で考えていた筈なのに、結果ルーティーンが出来てました。
本末転倒と言うかなんというか…。
とはいえ、全てこのルーティーンで行けるかと言うとそんな事もなく、違う手品に移る事もあります。
このスタイルをやるにはポイントがありますが、その辺りはまた別の機会で。