2023年6月の記事一覧
小説 弦月12(最終話)
夏の終わり、鈴木さんが10月末で退職することが決まった。まあとっくに決まってはいたのだろうけど、私がそれを知ったのは8月の終わりだった。
この夏が過ぎて、秋が訪れたら鈴木さんには会えなくなる。私は夜が来ると毎日泣いていた。この気持ちを一体どこに持っていけばいいのかわからなかった。私達はただの同僚で、別に恋人同士だった訳ではない。外でデートしたこともなければ、ラインで連絡を取り合ったこともない
夏の終わり、鈴木さんが10月末で退職することが決まった。まあとっくに決まってはいたのだろうけど、私がそれを知ったのは8月の終わりだった。
この夏が過ぎて、秋が訪れたら鈴木さんには会えなくなる。私は夜が来ると毎日泣いていた。この気持ちを一体どこに持っていけばいいのかわからなかった。私達はただの同僚で、別に恋人同士だった訳ではない。外でデートしたこともなければ、ラインで連絡を取り合ったこともない