前回の続編です。土地の実測売買をするには隣地との境界確認書が必須ですが、隣地が空地・空家で所有者が行方不明の場合はどうするか。
関わった事案で、実測売買する土地の隣地に老朽化した家屋があり、人が住んでいる気配を感じるので、土地家屋の登記情報を調べて名義人に境界立会の通知を出しました。
表札も同じ名前なのでその後ご挨拶を兼ねて訪問しましたがいつ行っても不在でした。
境界立会日の当日、予定した時間を過ぎても隣地所有者は一向に来る様子がありません。
土地家屋調査士と一緒に隣家を再度訪ねてみました。お名前を呼んでも返事もありません、ふと玄関ドアの脇にあったゴミ袋を見たら、境界立会依頼のレターパックが捨ててありました。
境界立会はお互いにとっても有益になることで、隣地の方は費用負担も生じないので立会を拒否することは考えられないです。よほど変人か世捨て人か、このままでは売買が成立しない可能性も頭をよぎりました。でも何かが変です。これはもしかしたら住人は登記名義人とは別人???
まずは近所の聞き込み(ヒヤリング)調査です。
早速向かいの家の人に聞き込みに行くと、なんと所有者は施設に転居していて住んでいる人は賃借人でした。どうりで郵便物は捨てられるし、名前を呼んでも出てこないはずです。
そこで土地家屋調査士の権限で隣地所有者の除住民票を取ってもらい移転先を見つけました。
移転先は郊外のケア施設でした。書類を持参して訪問しましたが、当時はコロナケアのために本人には会えません。施設のスタッフに書類を託してきました。
数日後本人の成年後見人から連絡があり、本人代理で境界立会のアポをとりました。
隣地行方不明者の捜索はまず聞き込み調査です。(刑事さんと同じですね。)
成年後見人が代理する場合は成年後見登記事項証明書を境界確認書に添付します。
成年後見人代理の境界確認書のひな型です。
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