#203_ちょっとしたことで人生は好転する
わたしは教室で「口にする言葉」を大切にしている。
それは、普段使う言葉でその人の運命は変わることを実感しているからだ。
言葉には「言霊」、つまり魂が宿っている。
言葉はその人を映す鏡なのだ。
言葉はその人の人生を創る、これには科学的な根拠が二つある。
1つ目は、前向きな言葉を選んで使っていると人間はその言葉通りに行動するという研究結果が出ているからである。
『言葉には私たちの脳を変える作用がある』、これは脳科学の世界では常識だ。
これを「プラシーボ効果」という。
どのような効果なのだろうか。
ある研究で患者に、①効果がある薬、②実際には効果がないサプリメント(食塩水や砂糖水)の2種類を与えた。
薬を付与した医師は、①も②も同様に「この薬は効きます」と言葉を付け加えて患者に渡している。
どうなっただろうか?
何と、効果がないはずの②でも病的改善がみられたのである。
これは、医師からかけられた「この薬は効く」という言葉による効果であると結論づけられた。
これは一種の「暗示」である。
脳がだまされて病気が改善することがあるのだ。
なぜこのようなことが起こるのだろうか。
それは、「ミラー細胞(ミラーニューロン)」と呼ばれる細胞が影響している。
ミラー細胞は別名モノマネ細胞と呼ばれる。
CMで誰かが美味しそうなお菓子を食べて「おいしい」と言っている姿をみると自分も食べたくなる。
これはまさにミラー細胞による宣伝効果である。
前向きな言葉を使うと、やる気が上がる。
やる気は自分の力を最大限に引き出してくれる。
つまり、自分が映る鏡に向かって「あなたはできる!」と言い聞かせていると、脳が刺激を受けてその言葉通りの自分に近づこうとするのである。
これは友達に言ってもらっても同様の効果が得られる。
もう一つは、前向きな言葉を使うとオキシトシンというホルモンが、口角を上げる言葉を使うとセロトニンというホルモンが分泌されることがわかっているからである。
オキシトシンもセロトニンも「幸せホルモン」と呼ばれる物質。
「すみません」よりも「ありがとう」、「だめだった」よりも「次は頑張ろう」、こんな言葉を選んで生活すると、セロトニンが分泌される。
セロトニンは、人の心を安定させリラックスさせる効果がある。
特に「ありがとう」の威力は最強だ。
感謝の言葉を伝えると、オキシトシンがたくさん分泌される。
相手に感謝の言葉をたくさん伝える人ほど、自分が幸せになれるのだ。
他にもオキシトシンを分泌させる行動として
① スキンシップを取ること
② 人と見つめ合うこと
③ 会話や団らんなど人と心を通わせることをすること
④ 誰かの役に立つことをすること
⑤ 良い香りを嗅ぐこと
⑥ 植物を育てること
等がある。
幸せは自分で創れる。
まずは使う言葉を選んで心を元気にすることから始めよう。