#210_やんちゃな子が話をきくようになる関係づくり

学校現場では、子どもを集団としてみることが少なくない。
学級づくりや集団づくりという言葉はその最たるもの。

しかし、そこに実態はない。
集団を個の集合体と見て授業をつくろうとすると、ねらいも活動もターゲットが定まらずにぼんやりしたものになってしまう。

集団をつくるにも授業をつくるにも一人一人との信頼関係は欠かせない。
ものすごい教師不信の子どもと出会う頻度が高かったからか、わたしは一対一の関係をつくるのが得意になった。

大切にしているのは「子どもをみる」ことと「予言」。

必ずしているのは、その子が大切にしていることを早い時期に見極めること。
やんちゃ男子だったらスポーツが多い。
おとなしめ女子が一番難しいけれど、最近は押しがいる子が多いので、そのあたりを探る。

普段のお喋りで、「好き」を探って受け止める。
指導するときはその子の「好き」に繋がるように伝える。

例えば野球を一生懸命やっている子が、掃除ややるべきことをさぼろうしているところを見つけたら。
まずは状況をきく。
さぼろうとしていることを認めたら、野球ではがんばってるよね、大谷が何を大切にしてるか知ってる?という話を始める。

普段の練習とルーティンを大切にしてるんだよ。
普段の生活がプレーに出るの。
あなた、野球向きの体してるけど、調子いいときと悪いときの差が大きいんじゃない?

こんな話をする。

これは、ホットリーディングを活用したトーク。
ホットリーディングとは、あらかじめ集めた情報をもとに会話を進めて、信頼関係をつくるテクニックの一つ。
ビジネスや占い師などが活用しているそうだ。

些細な情報をもとに話をするんだけど、大切なのは「あなたのことを見てるよ」「応援してるよ」「心配してるよ」というメッセージ。
そして、この活動をすることであなた自身が成長するメリットがあるよ、と活動自体に意味づけをする。

小学校の頃はずっと掃除をさぼってたというやんちゃくんも、結構真剣に話をきいてくれて
わたしが指導した後は「しょうがねえ、あいつが言ってるんだから、ちょっとやるか。」という態度ではあるけれど、掃除に取りかかってくれる。

「こいつに言われちゃ仕方ねえ」
そう思ってくれるような関係づくり。
そのくらいの距離感とさじ加減。
良好な関係って、学級でも日常でも大事だ。


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