#90_発問の距離を整理する
訳あって、発問についての文献の整理をしている。
宮田丈夫「道徳授業の創造」1972年、新光閣書店より。
道徳科における1シーン。
借りた本を弟が破ってしまう。主人公はどうしたらよいか迷う。
この葛藤場面において
「あなただったらどうするか。」
「こんな場面にぶつかった場合、あなただったらどうしたと思うか。」
どちらが考えやすいだろうか。
前者は「正直に謝る。」
後者は「黙って返す。」「見つかっても僕じゃないと言う。」
という解答が見られたという。
理解と行為は常に結びつくものではない。
人は自らの経験をもとに考える。
主人公と自分を切り離して考えるのではなく、重ねながら経験を想起できるような問い方が、特に道徳科では必要である。
展開の特徴を以下のように分類している。
①生活方式
②生活ー資料方式
③生活ー資料ー生活方式
④資料ー生活ー資料方式
⑤資料ー生活方式
⑥資料方式
いずれにしても、授業を展開しながらいかに子どもたちの生活と価値を統一させながら思考を深めることができるかがポイントである。
発問のしかたにもポイントがある。
Why(なぜ)発問は問いやすく答えにくい。
答える対象が広く、焦点化しにくいことが挙げられる。
Why以外のWhich(どちら)、「どちら(Which)」「いつ(when)」「どこで(Where)」「誰(Who)」「何(What)」「どのような(How)」の6つの発問に変換し、発問と答えの距離を縮めることで、答えやすさが格段に変わる。
具体的な授業の実際は、機会があれば投稿したい。
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