書籍紹介②『その悩み、哲学者がすでに答えを出しています』
今日は、ボウズンボーです。
本日は、小林昌平さんの著書『その悩み、哲学者がすでに答えを出しています』を紹介します。
この本は、哲学を通じて現代社会に生きる人々が抱える悩みを解決する糸口を見つけ、さらに哲学者が答えを導き出すプロセスを辿ることにより哲学に触れて普段の思考を枠を広げようと試みています。
面白いことに紀元前に生きる人々も、現代の人々と同じような悩みを抱えていたと言います。
仕事、健康、家庭、お金・・・・
現在に生きる私たちと悩みが似てますね。
この本は①仕事、②自意識・劣等感、③人間関係、④恋愛・結婚、⑤人生、⑥死・病気、に分けて合計25の悩みを哲学者達が答えています。
ここでは一つだけ、取り上げてご紹介します。
P18〜P25では「将来、食べていけるか不安」という項目には、アリストテレスが答えています。
これは、今も昔もありそうな悩みですよね。
会社に勤めていても安定は約束はされず、給料は増えない。
先々に備えて、何か始めなければならないと副業をやる人、NISAを始めたりと将来の不安を解消するために行動している人もいるでしょう。
しかし、計画を詰めても不安は消えることはありません。
将来、何が起こるかわからないからです。
アリストテレスの答えは、「将来の目的や計画を一旦忘れ、今この瞬間にやりたいこと、やるべきことに熱中せよ」でした。
アリストテレスは「将来の目的を最優先した行為」を「キーネーシス的な行為」。
一方で「将来の目的を度外視し、今この瞬間に集中する行為」を「エネルゲイヤ的な行為」と呼んで次のように言っています。
「快楽は本来活動(エネルゲイヤ)に他ならず、それ自身目的(テロス)なのである」
(『ニコマコス倫理学』)
そしてエネルゲイヤ行為とは、今自分にとって楽しく充実している状態がそのまま「すでに成し遂げた成果だ」とアリストテレスは言います。
結果を求めること自体はいいけれど、その過程をて徹底的に打ち込んで楽しみきることが大事なんだと伝えて言います。
なんだか耳が痛いような心に突き刺さるような・・・
しかし重要な気づきを与えてくれていると私は思います。
生きていれば様々な悩みにぶち当たります。
コロナ禍を経験してから、その悩みはより深くなったと言えるかもしれません。
そんな悩みを解決するために哲学の思考に触れて、乗り越えていければと思います。
現在悩みを抱えている方、是非この本を読んでみてください。