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夜空に紡ぐ月のように【美容エッセイ】
美しさとは、目に見えるものだけではない。
私たちはしばしば、外見にとらわれ、鏡の中の自分や他人を評価する。
でも、ほんとうの美しさは、見た目を超えたところに存在する。
それを最も教えてくれる存在が、月だ。
月は毎晩、空に静かに浮かんで、その姿を私たちに見せてくれる。
その光は、どんなに暗い夜でも途絶えることなく続き、静かな強さを感じさせる。
月の美しさは、華やかさや一時的な輝きにあるわけではない。
月は、目に見える形で何かを主張することなく、ただそこにいる。
それでも、誰もがその存在に気づき、心を打たれる。
満月でも新月でも、月はいつも変わらず空に浮かび、暗闇を照らし続ける。
月の輝きは、外見的な華やかさが一切なくても、私たちの心に深く響くものだ。
月は自分を誇示することなく、ただ静かに存在し続ける。
その姿勢こそが、月が示す本当の美しさの本質である。
私もまた、月のようでありたいと思う。
外見が時と共に変わり、年を重ねるごとに輝きが失われることを知りながら、それにとらわれることなく、内面的な美しさを育んでいくこと。
それが本当の美しさに繋がるのだ。
外見の美しさは、たしかに瞬間的に私たちを魅了する。
でも、時間が経つにつれてその輝きは色あせていく。
髪が白くなり、肌に皺が増えていくとき、外見の美しさに頼っていたことを痛感する瞬間がくる。
それでも、月のように内面の美しさを大切に育んでいけば、年齢を重ねるごとにその美しさは深まっていく。
外見は変わっていくもの。
でも心の中の輝きは、歳月を重ねるほどにその豊かさを増していくはず。
月は私たちに、静かな力強さを教えてくれる。
華やかな輝きではなく、内面的な豊かさこそが、真の美しさを生むのだと。