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長く活躍するクリエイターになるために「魚の目」を鍛えよう

今回のテーマは、「虫の目・鳥の目・魚の目」について。
モノの見方や思考パターンを説明する際によく用いられる比喩表現のため、ご存知の方も多いのではないでしょうか。

今回は、価値を創造するクリエイターにとって欠かせない「魚の目」について、日常的に魚の目を鍛える訓練をしているさとみと、発注者の立場からその大切さに気づいたというもみじが、重要性とその養い方について語ります。


言語化可視化ラボは、デザイナー岩崎さとみとライター本田もみじの「ブランディングとマーケティングの研究所」。クリエイターメンバーと一緒に、日々ブランディングとマーケティングの研究を行っています。

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クリエイターに欠かせない「魚の目」とは?

さとみ:
「虫の目」とは物事の細部を見る力、「鳥の目」とは全体を俯瞰する力を意味します。そして、世の中の動きや人の気持ちの変化などの流れを見る力が「魚の目」です。

もみじ:
どの視点もクリエイターには必要ですね。職人気質な方は「虫の目」、ディレクターやゼネラリストの方は「鳥の目」を持っているケースが多い気がします。
一方で、「魚の目」を意識しているクリエイターは意外と少ないのではないでしょうか?

さとみ:
私も、魚の目を鍛えるのには苦労しました。
才能やセンスだけを頼りに、クライアントの期待以上の成果物をつくることには限界があります。デザイナーであれば、的確に時流を捉え、デザインに落とし込むスキルが必要です。

その際もきちんとトレンドを分析し、「なぜこのデザインを選んだか」までクライアントに説明できたほうがいいですね。

もみじ:
魚の目は、時流を読む力だけにとどまりませんよね。デザインの流行だけではなく、お客さまのビジネスの方向性や気持ちの変化も先んじて捉えられるクリエイターは重宝されます

たとえば、以前私がホームページデザインを依頼したデザイナー。
「もみじさんの3年後のビジネスを考えた場合、このデザインがおすすめです」という提案があり、「私の将来を一緒に考えてくれているんだ!」と信頼度がグンと増しました。

さとみ:
それはありがたい提案ですね。「クライアントの未来の変化」を読む力も重要です。クライアント自身も気づいていない点もありますからね。

注文通りにつくるだけでは、クライアントの満足度も上がりませんし、労力に対してお金を支払ってもらうだけなので単価も上がりません。
AIでは代替のきかないクリエイターになるためにも、「感性」などという曖昧な言葉で片付けずに、「見えないものを見る力」をしっかり鍛える必要があると感じますね。

クリエイターとしてのキャリアを考える上でも「魚の目」は有効

さとみ:
私は、魚の目はクライアントとの関係においてだけでなく、クリエイターとして自身の方向性を決める上でも大切な視点だと考えています。

もみじ:
というのは?

さとみ:
目の前の報酬だけに執着してしまって、自身の経験や人脈、スキルの向上といった視点が欠けているがゆえに、チャンスを逃しているクリエイターさんが多いと思っていて…。
将来的に自分のやりたいことにつながるのであれば、一時的な対価は少なくても挑戦する選択をする方がいいと思うんですよね。
「わらしべ長者」のようになる可能性もありますからね。

もみじ:
なるほど。

少し話はそれるかもしれませんが、私はクリエイターには「推し活マインド」も必要ではないかと感じています。

推し活に励む人は、まだまだ有名ではない「推し」に対して膨大なエネルギーや時間を注ぎ、一緒に成長する過程を楽しむわけじゃないですか。クリエイターも、仕事や業界に対する「愛」のようなものが時として活力になり、結果的に成功につながる場合もあるんですよね。

さとみ:
たしかに。クリエイターはすぐに大儲けできる職業ではないので、そもそもつくることが好き、クリエイティブ業への愛がないと続けられないかもしれませんね。お金以外の価値を見出すことも大切です。

もみじ:
そうなんです。簡単に稼げる業種じゃないからこそ、「つくる」ことに愛を持っている人でクリエイティブ業界が満たされてほしいという思いはありますね。

自分の仕事に愛着を持たず、稼ぐ努力もしない人が「ライターは稼げない」と不満ばかり言う姿を見ると、そもそもライティング業界という”川”に入りたくないのではないかと感じてしまうのです。
数年間でもライティング業界に身を置くつもりであれば、もっと川遊びを楽しんで他の魚と一緒に泳いでみればいいのに…と思いますね。

魚の目を鍛えて、長く活躍するクリエイターになるために

もみじ:
話を戻しましょう。
これまで、クリエイターは「魚の目」を持つべきと話をしてきましたが、どうすれば魚の目を鍛えて長く活躍するクリエイターになれるのでしょうか?

さとみ:
私は大きく2つあると考えています。

1つ目は、業界の流れに対して、常にアンテナを立てる習慣をつけること。意識的に訓練していれば、トレンドや潮目の変化みたいなものも分かってくるはずです。

2つ目は、人の心の動きや考え方、行動に関する知識をつけることです。お客さまの潜在ニーズを捉えられなければ、期待される成果も出にくいですからね。私の場合は心理学や脳科学を体系的に学び、そのナレッジをLPやセールスライティング作成に役立てています。

スキルアップに終わりはないので、クリエイターである以上学び続けることが求められますよね。

もみじ:
そうですね。私は、独りよがりにならず「よい人間関係づくり」を心がけることも大切だと思っています。

仕事を受注した際、多くのクリエイターが「こんなに難しい仕事できるかな。クライアントに怒られたらどうしよう…」と不安を感じがちですが、これでは「流れ」が読みにくいと考えていて。

さとみ:
うんうん。

もみじ:
それよりも、「できる限りのことをするので、力を貸してください。より良いものを提供するために必要なデータや資料をいただけませんか?」と相手と目線合わせをしていく方がずっと発展的な結果が得られると思うのです。

クライアントとの関係構築、恐れることなく楽みましょう!
よい流れが生まれて、次のお仕事にもつながりますよ。

さとみ:
そうなんですよね。ただ、クライアントとのコミュニケーションが苦手というクリエイターも多いですからね。直接営業してお仕事を開拓するタイプ、編プロやコミュニティからお仕事を請け負うタイプ、どちらが自分に合う方を見定め選択できればいいですね。

もみじ:
はい。自分で流れをつくるのが得意でなければ、人の力を借りるのもいいと思います。

「流れを読む・流れに乗る・流れをつくる」。クリエイターにとってはどれも欠かせません。
手元だけに集中する、もしくは傍観者になるのではなく、魚の目を養い、長くそして自由に泳ぎつづけるクリエイターを目指していきたいですね。


このnoteは、Facebook非公開グループ「言語化×可視化ラボコミュ」のライブ配信からクリエイターさん向けの内容をピックアップして記事化したものです。


【この記事を書いた人】
言語化×可視化ラボ コンテンツ開発チーム 稲葉 めぐみ

2021年夫の転勤を機に、商社マンからライターに転身。長年の営業経験を活かし、現在は採用広報や導入事例など、企業の「魅力」を伝えるインタビュー記事をおもに執筆。北海道のど真ん中で、美味しいものと自然に囲まれながら生活中。
https://twitter.com/okki1105
https://note.com/junko0715/n/n91a9ecf8fd58

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