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【岐阜】大雨で冠水、閉じ込め被害も アンダーパスの危険性
2010年7月、九州から本州付近に停滞していた梅雨前線の断続的な活動が活発化し、西日本を中心に豪雨災害となった。全国で死者16人、行方不明者5人という人的被害をもたらした災害だった。
同月15日夕方、岐阜県の中濃地方では局地的に1時間あたり60ミリ前後の非常に激しい雨が降った。可児市土田のアンダーパスは冠水し、車に乗っていた3人が被災した。こうした過去を踏まえ、アンダーパスの危険性に迫る。
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■「7・15豪雨災害」の教訓 浸水深示す標識
今から約12年前———。岐阜県では、7月15日から16日にかけて大雨が降り、のちに「7・15豪雨災害」と言われる災害となった。中濃地方に位置する可児市などで人的被害が発生し、死者・行方不明者は6人、重傷者は1人に上った。
このうち帰宅途中の3人が被災した同市内のアンダーパスには当時の実績浸水深を示す標識が取り付けられている。普通乗用車はもちろん、大型トラックさえもすっぽり沈んでしまう深さである。
京都大と関西大による研究結果によると、一般的なセダンタイプの乗用車であれば、①浸水深の増加に伴い避難に要する時間が急激に増加する、②地上面から浸水深が70〜80センチ程度になると、避難の成功率が急激に低下することが明らかになっている。
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これからの季節は出水期と言われ、集中豪雨や台風等洪水が発生しやすい。発災時の状況に応じた行動を取るため、自宅や職場付近のハザードマップを確認し、災害の危険度を把握することが大切である。
さらに加えて、通勤・通学に使う道のりにも着目し、危険な場所はないか、家族や友人間で共有してみてほしい。【山口泰輝】
※この記事は、4月13日発行の「GENSAI PRESS 6号」に掲載されています。以下の紙面は、ダウンロードできます。
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