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「ふぐの日」に紐解く—ふぐ食文化の驚くべき歴史と「玄品」の技術

とらふぐ料理を提供する「玄品」にとって、2月9日は一年に一度の特別な日です。この日は「ふぐの日」という記念日で、ふぐの取扱量日本一を誇る、山口県下関市が中心となって制定されました。下関ではふぐを「ふく」と呼んでおり、「ふ(2)」と「く(9)」の語呂合わせから定められたそうです。ふぐの豊漁や航海の安全、そしてふぐ業界の発展を祈る、大切な日とされています。

さて、ふぐ食文化には長い歴史がありますが、一時は食べること自体を禁止されていた時代もありました。かつては、有毒部位のあるふぐを誤った調理法で食してしまい、中毒死する人が絶えない時期があったからです。

なぜ、そのようなリスクをはらんでいるふぐが、今なお由緒ある日本料理として認められているのか。それは、ふぐを安全に調理する技術を持ち合わせた職人や企業が、脈々とその伝統を受け継いできたからにほかなりません。

そこで今回は、数奇なふぐ食の歴史を振り返るとともに、日本古来の食文化の一端を担ってきた、「玄品」の技術について振り返ります。



縄文時代から続く、日本人とふぐの歴史

日本の歴史にふぐが登場するのは、今から約1万年前のこと。縄文時代の遺跡からふぐの骨が出土したことで、古くから日本人の食卓を彩ってきたことがわかっています。

ところが、安土桃山時代(1573年~1603年)になると、誤ってふぐの有毒部位を食べたことで、命を落とす武士が続出。これを受け、豊臣秀吉が「河豚(ふぐ)食用禁止令」を発布しました。この禁止令は明治時代まで続くことになりますが、一般市民はこっそりとふぐを食べ続けており、みそ汁の具にふぐを使った「ふぐ汁」などが食べられていたそうです。

そして明治時代(1868年~1912年)に入ると、ついにふぐ食解禁の時がやってきます。当時の総理大臣だった伊藤博文がふぐの美味しさに感動し、解禁に向けて働きかけたのです。これをきっかけに、1940年代からは山口県や大阪府を中心に高級ふぐ料理が定着し、フルコースが全国的に普及していきました。

加えて、ふぐを安全に調理・提供するため、1949年にはふぐ調理師試験が制定され、厳格な資格制度も設けられました。「玄品」では、ふぐ調理師免許の保持者が100名以上在籍しており、お客様に安心・安全なふぐをご提供しています。


旨味成分を向上させる、独自開発の「玄品技術」

一口にふぐと言っても、その数は約100種類にものぼります。そのうち日本で食用として許可されているのは22種類で、なかでも「玄品」では、ふぐの王様と呼ばれる「とらふぐ」を提供しています。

「とらふぐ」はコラーゲンやタウリン・タンパク質が豊富ながらも、カロリーや脂質が少ないため、美容と健康には最適な魚。その美味しさはもちろん、半透明の美しい身の色やシコシコした歯ごたえ、淡白ながらも旨味の詰まった味わいは絶品です。

「玄品」の「とらふぐ」は、食の安全を守るために生産地で徹底管理されており、約1年〜1年半かけて大事に育てられています。

その「とらふぐ」をより多くの方に、安全に、リーズナブルにお届けしたいという理念のもと、「玄品」は旨味成分を向上させる独自技術を開発。特許を取得したこの「玄品技術」により、養殖のとらふぐをより天然に近い味わいへと変貌させています。さらに、優良で変わらぬ質と、安定した価格を維持・提供し続けることが可能になり、ここ数年は常に業界のトップシェアを誇り、とらふぐ取扱高では日本一の実績を持つまでになりました。


「てっさ」・「てっちり」の知られざる語源

さて、ふぐ料理と言えば「てっさ」(ふぐ刺し)や「てっちり」(ふぐ鍋)が有名ですが、なぜこのような呼び名となったのか、ご存知でしょうか?

「てっさ」は「ふぐの消費量が日本一」と言われる大阪を中心に親しまれている呼称で、ふぐ食が禁止されていた頃に隠語として使われたのが始まりです。当時、ふぐは「鉄砲(てっぽう)」と呼ばれており、その理由は「ふぐの毒に当たると死ぬ」=「鉄砲の弾に当たると死ぬ」という意味を掛けたからでした。

そこから、ふぐの刺身は「てっぽう」と「さしみ」が合わさり、「てっさ」と呼ばれるように。一方、「てっちり」は「てっぽう」と「ちり鍋(白身魚の鍋)」が合わさり、「てっちり」と呼ばれるようになりました。

「てっさ」は気持ちのいい歯ごたえと、淡白な白身魚とは思えぬほど、濃い旨味が楽しめます。「てっちり」はふぐの出汁が野菜にも染み渡り、寒い季節に体を温めるのにはもってこいです。

ほかに「玄品」では、プリプリとした食感で食べ応え抜群の「唐揚げ」や、香ばしさが食欲をそそる「焼きふぐ」など、さまざまなふぐ料理をご提供しています。


日本古来から続く、伝統的な食文化を

ふぐの旬は11〜2月の冬場です。噛むほどに濃い旨味が感じられる「てっさ」と、ほんのり温かく風味豊かなひれ酒のマリアージュは、季節を感じられる最高の組み合わせと言えるでしょう。ぜひ大切な人と一緒に、日本が誇る伝統的な食文化を、「玄品」で存分に味わっていただけますと幸いです。


なお、2025年2月7日(金)〜11日(火・祝)まで、「ふぐの日」にちなんだフェアを開催しています。この機会にぜひご賞味くださいませ。



(参考資料)
ふぐマガ 2月9日は「ふくの日」! 魚の記念日いくつ知ってる?
一般社団法人 下関ふく連盟 ふぐ食の歴史
関とら本店 てっちり(フグのお鍋)の呼び方の由来を知っていますか?


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