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挫折・葛藤・退職…離れたからこそ見えた、「玄品」ならではの仕事の価値
「とらふぐ料理 玄品(以下、玄品)」では、さまざまなバックグラウンドを持つ従業員たちが、今日も熱心に働いています。そのなかの一人、関東エリアマネージャー兼新橋店 店長の野口さんは、一度会社を離れた経験を持つ社員です。
かつて「玄品」で大きな挫折を経験した野口さんは、仕事のやりがいが見えなくなり、「何もかもがうまくいかない」と退職を決意しました。けれど、数年後に再び会社に戻り、今や複数店舗を統括するマネージャーとして活躍しています。
一旦は離れた場所に戻ってきた理由について、野口さんは「ここほどやりがいがあり、感謝の言葉をもらえる職場はないと気づいたから」と語ります。そこで今回は、彼のキャリアステップを辿りながら、「玄品」で働く魅力を紐解いていきましょう。
「玄品」関東エリアマネージャー 兼 新橋店 店長
野口 英知(のぐち ひでとし)さん
入社15年目。学生時代、2年半にわたって「玄品」のアルバイトを経験。卒業後に入社し、六本木店の店長を務めたものの、1年半で退社。3年後に再び「玄品」に入社し、神楽坂店の店長を務めたあと、フランチャイズ店舗の統括を担当。現在は新橋店の店長を務めながら、川崎店・横浜店の統括を担当している。
学生アルバイトから一転、すぐさま店長へ就任
22歳で大学に入学した野口さんは、学業の傍ら、さまざまな飲食店でアルバイトの経験を積んでいました。「玄品」で働き始めたのは、大学2年生のときのこと。ふぐ料理店が物珍しかったのと、時給の高さに惹かれて選んだ仕事でしたが、着々と業務を覚えてアルバイトリーダーを任されるようになりました。
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日々の業務を通じて感じていたのは、「玄品」ならではの仕事の面白さだったと言います。
「ほかの飲食店だと、接客するのは料理を出すときか、質問を受けたときだけ。でも、『玄品』は席でてっちり(ふぐ鍋)を調理するときに、お客様との会話が生まれるんです。お話する時間は他店と比べても長く、私にとっては接客している時間が楽しかったんですよね。サービスを通してお客様にも喜んでいただけて、度々『ありがとう』と直接感謝の言葉をいただくこともありました」
仕事はホール業務がメインでしたが、ほかに発注業務などを任されることもありました。野口さんは大学で経営学を学んでいたこともあり、当時の店長が実際の損益計算書や売上推移の資料などを用いて、数字の読み方を教えてくれたこともあったそうです。
大学3年生になると、不動産や金融業界を中心に、就活を進めました。当時のお客様は不動産会社や銀行関係の方が多く、話を聞くうちに憧れを抱くようになっていたからです。しかし、店長から「うちに興味はないか?」と声をかけられます。
「当時エリアマネージャーを兼任していた店長から、『六本木店の店長ポジションが空いているから、挑戦してみないか?』と誘われました。社会人1年目で、店舗全体を管理する裁量の大きい仕事に、魅力を感じました」
こうして就活路線を大幅に変更し、大学卒業と同時に「玄品」へと入社。すぐさま六本木店の店長に就任しました。
退社して気がついた、「玄品」の魅力
経営学の基礎を学び、アルバイトで実践経験を積んでいた野口さん。「やってやるぞ」と意気込んでいたものの、現実は思ったように上手くはいきませんでした。はじめの3ヶ月間は大きく売上を落とした上、働く社員・アルバイトスタッフと人間関係を構築するのも一苦労でした。それでも、スタッフと月に4〜5回はミーティングを重ね、懸命に売上や運営体制の改善に努めました。
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しかし、無我夢中で取り組んでいた矢先に襲い掛かったのが、リーマンショックでした。不況の波で客足は遠のき、先の見えない暗雲が目の前に立ち込めています。「何もかもうまくいかない。もう、やりがいが感じられない」。店長に就任して1年半後、会社を去る決断をしました。
その後、友人のツテで別の飲食店で働き始めた野口さん。その会社はカリスマ社長が牽引する組織で、残念ながら自身のアイディアはなかなか日の目を見ません。「自分の考えを形にできる可能性は、限りなく低いだろう」と思うと、またやりがいを見いだせなくなっていました。
そのときふと思い出したのは、試行錯誤を繰り返した「玄品」での日々と、感謝の言葉をくださるお客様の姿でした。「しんどいこともあったけど、一番やりがいがあったし、すごく楽しかったな……」。離れてみて初めて、「玄品」の魅力に改めて気がついたのです。
居ても立ってもいられず、以前お世話になったエリアマネージャーに電話をかけた野口さん。ダメ元で「また働かせてもらえないでしょうか」と切り出すと、意外にも清々しい返事が耳に飛び込んできました。そうして、3年ぶりのカムバックが実現したのです。
再スタートで手にした成果と仕事のやりがい
31歳で「玄品」でのキャリアを再スタートさせてから、野口さんは神楽坂店の店長に就任。「売上予算比110%超・営業利益130%」という驚異的な数字を叩き出しました。勝因は、原価・人件費の管理やコスト削減を徹底したことと、「お客様を幸せにする」をテーマに数々の売上施策を投じたこと。この頃には自らのアイディアが成果に結びつき、お客様に感謝されることがうれしく、再びやりがいを感じられるようになっていました。
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その後は、以前店長を務めた六本木店の店長を兼任。さらに、関東・関西エリアのフランチャイズ店舗の統括ポジションを経て、現在に至ります。すでに「玄品」に戻ってから、10年以上の時が流れました。ここまで続けてこれた理由は、「仕事の裁量が大きく、やりがいを実感できるから」だそうです。
「戻ってきてから、たくさんの方のおかげで、ありとあらゆる経験をさせていただきました。これまでの経験を活かして、今後は会社を強く・大きくできるよう、より一層貢献していきたいです」
「誰かのためになる仕事をする」
店長として後輩指導を行う際、野口さんはよく「誰かのためになる仕事をしよう」と伝えています。
「自分以外の誰かのために、何かをしてあげたら、それがまた別の誰かの幸せにつながっていきます。『玄品』の場合は、心のこもったサービスをすれば、お客様に喜んでいただける、感謝していただける。『誰かのためになる仕事』を心がけることで、『ありがとう』の言葉が常に循環する店舗になったらいいなと思っています」
「玄品」の大きな魅力は、飲食店でありながらも、人と人との温かな気持ちが通じ合う場所であること。これは野口さんだけでなく、ほかの多くの社員も同じように感じています。今も昔も変わらない貴重な文化を絶やさぬよう、これからも私たちは感謝の気持ちをつなぐ、「玄品」らしい人材を育てていきます。
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取材・文:株式会社ストーリーテラーズ ヤマダユミ