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第18回読書会報告書

 9月15日(日)15:00から第18回いわぬま読書会が開催されました。
 本日はあいにくの雨天、傘をさしても所々にできた水溜りのせいで、歩くたび路上に跳ね返った雨粒がズボンの裾を濡らしました。そんな中、ご参加いただき誠にありがとうございました。第18回目の課題本は 樋口一葉「たけくらべ」 です。現代語訳を想定しておりましたが、原文そのままの「たけくらべ」をお持ちになる方もいました。私も2冊持って行きました。各々が持ち寄った違う出版社のものや装丁の本を並べてみました。結構多種にわたりますね。

河出文庫、新潮文庫、岩波文庫、集英社文庫、岩波新書

 正直、現代語訳版でも難しかったです。けれと、読めば読むほど理解が深まってきて、今回の読書会で樋口一葉自身のことや時代背景、語訳の意味など教えていただき、物語の素晴らしさがより増していきました。
 また、読書会始まって最初に「一章だけ声に出して読んでみましょう」という提案があり、それぞれ代わる代わる読んでみました。朗読向きの文章に、互いになるほど…と余韻そのまま頷き合いました。黙読が今は当たり前ですが、たまにはこうやって声に出して、一語一句と噛み締めながら物語を理解していくのも、新しい視点または新しい楽しみ方としていいなと思いました。一人読書もいいですが、今回の読書会のように同じ本を読んできて、多様な読み取り方が増えるのは、いいものですね。
 今回の「たけくらべ」の感想は、

朗読向き、声に出して読むと素晴らしい
子供から大人へと移り変わる多感な時期
子供社会の優劣、貧富、地位など
誰もが通る青春時代、刹那的で短い、移り気
この頃より現代では、大人の段階までゆるやかで長いかもしれない
初恋文学
底辺を生きる人々のお話
豊かな江戸情緒の描写
女と男の成長速度の違い
三五郎のとばっちりが気の毒
美登利の悲しみ、客をとること知った将来の悲観
なぜ彼女の態度は変化したのか?
水仙のつくり花は本当に信如だったのか、それとも?

 

などなど、少人数開催だったのにも関わらず、1時間以上も語り合ってしまいました。この作品の感想はどうしても言葉足らずになってしまって歯がゆいですが、短編とは思えないどこまでも広がる物語の奥ゆかしさに感嘆します。
 余談ではありますが、樋口一葉さんと津田梅子さんにもご観覧いただきました。たまたま参加者の方が新五千円札を持っていたので、それを借りて並べさせていただきました。ありがとうございます。

新旧五千円札


 以上、第18回読書会報告書でした。



 次回、第19回読書会のお知らせ

課題本は、「82年生まれ、キム・ジヨン」チョ・ナムジュ です。
場所は、岩沼西コミュニティセンター

 メールでのお申し込みは、

gennotsukito@gmail.com

 までよろしくお願いします。
 地元密着型の読書会を目指しています。お気軽に質問、ご参加お待ちしております。


いわぬま読書会

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