掌編 詩「偉大な、そして親愛なる詩人へ」
あの人はみんなの言葉だった
あの人はみんなのやさしさだった
あの人はみんなのかなしみだった
あの人はみんなの友だった
あの人はみんなの師だった
あの人はみんなの光だった
あの人はみんなの闇だった
あの人はひとりだった
あの人はみんなの愛だった
そしてあの人は、わたしの他人だった
もうあの人をもとめることができない
言葉も
羨望も
涙も
感謝も
きいてくれることもみてくれることも一生叶わない
きいてほしかった
みてほしかった
もっとあなたの言葉をききたかった
ごうつくばりなみん