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3・11は忘れられない=辛さは人を奮起させる。
東日本大震災から12年。
あれからもう12年も経ったのですね。
ニュースや特番、CMまであの災害の話でしたね。
私は会社、渋谷のビルの中にいました。
もちろんあんなすごい地震は 生まれて初めて。
そして 渋谷駅には「人」「人」「人」の波。
渋谷駅前から並んだバスかタクシーの乗り場は
多分 原宿駅まで続いているのでは?と思うほど、
とんでもない行列でした。
会社では、幸い20分程度で全社員の無事が確認できたので、
できるだけ会社に残るよう社員には指示するも
やはりおうちが心配で帰る人も多く、同じ方向の
人達でグループで帰っていただくことにした。
そして私は、若手社員と一緒にコンビニに買い出しに行って
食材になるものは何でも買った・・といっても
ほとんどコンビニは空っぽでしたが。。
余震の心配もありましたが、東京では地震の影響による
「交通網のマヒ」だけが問題でした。
なので、社員の家族や友人で露頭に迷っている人がいたら
うちの会社に泊めてあげることにしました。
せめて寒い中 居場所がなく困っているなら、
会社の中で暖まってもらえたら、社員達も安心するでしょうし。
でも、震源地の宮城県とは雲泥の差。交通網のマヒなんて
大した事ではない、と一晩中ニュースで進捗確認しながら
思ったのでした。
この3/11 私はちょうどうつ病で休職していた男性社員H君との面談予定があったのです。
なかなか復職できないH君ですが、定期的に面談し、やっと会社に来られるようになっていた大事な時期。
でも直前の地震、本人から電話があり、
「地震で電車が止まってて会社に行けないようなのですが、、」と。
なんて律儀な!!と感動しつつ、
「H君、電話ありがとう! でも面談なんかいいよ。すぐに地域の避難場所とか、危険がない場所に行ってね。気を付けてね」と電話を置きました。
何を話しても ぼーっとして自分から発言することがほとんどなかったH君が あんな日に 面談に来られない、と電話をくれるなんて。。。
とにかく本人からの電話で 彼は無事であることが確認できた。
その後、誰もが不安な気持ちになった時期でしたが、彼とは本人の希望で
すぐに面談に来てもらうことができた。
びっくりしたことに、地震の前より しっかりしてる!!!
顔つき、目つき、はきはきしゃべる、ところなど 全然しっかりしてるのです。なんで?と聞いたのですが、本人にはその自覚がなく、
「そうですか~?」と。
そして1か月以上後、ようやく様々な研修などが始まった。
本当なら地震の直後にあったはずの産業カウンセラー協会の勉強会。
情報交換したくてうずうずしていたし、久しぶりの仲間に会えることがとても楽しみでした。
そこで、うつ病の社員の話をしてみたのです。
「以前より元気になってる。今までに見たことがないほど。
皆さんの会社ではどうですか?」と。
すると どうでしょう!
「私も!」「うちも!」の声が多数。
他のカウンセラーの事例ですが、
「地震が起こった時、自分(うつ病で休職中の中年男性)は家に 飼い犬のワンちゃんと一緒にいたそうです。
大きな地震で ワンちゃんがキャンキャン鳴きながら自分の腕の中に入って ガタガタ震えてた。 そんワンちゃんを見たときに 【自分が守らなくちゃ】という気持ちになったんだ」とカウンセラーに話してくれたそうです。
人は守りたいものがあると 何か 大きく気持ちを奮起させる力が
出るのだな、と 思った事例でした。
それを聞いて なんだかみんな涙した。胸が熱くなった。
何の涙だったのかな。。。
奇跡が起きた 喜び。。
不安で仕方がなく、楽しい気持ちをすっかり忘れてしまった私たちカウンセラーに、希望の光を見せてくれたから。。
そんなふうに感じられたからかな。
辛い経験は すべて悪い結果しか起こさないわけじゃない。
あの日も多くの人が 自分も不安な中でも 誰かを支えたり、
声をかけたり、分け合ったり、 そんな希望の光も見えたはず。
こういう時こそ 人の「本質」が見えるもの。
誰でも 変われる。
辛さを力に変えて 笑顔を取り戻すことができる、と確信することができたのでした。