映画「ベイビールビー」を観たけどちょっと異議ありだった
Netflixで配信中の映画『ベイビールビー』(Baby Ruby)を観た。
初鑑賞。
作品情報
2022年
制作:アメリカ
ジャンル:サイコホラー・サスペンス
まず、一言感想。
これは少子化促進映画かな?
以下ネタバレ注意!
仕事も結婚生活も成功していて、
キラキラと輝いて見えるインフルエンサーの女性が、
初めての赤ちゃんを生んだ途端、育児に追い詰められ、
産後うつと妄想に囚われるという映画。
ただこの女性、
本当にとってもいい夫と、義理の母がそばに居てくれて、
二人とも寛大で理解があって、助けようとしてくれている点はとっても恵まれているのに、
とにかく助けを求めない。
受け付けない。
私の母の話を聞く限り、
もっと独りだったし、父も親戚も誰からも助けてもらえなかったのに、
なんてことを、モヤモヤっと考えながら最後まで鑑賞。
日本人女性なら同じように思う人も未だに多いのでは。
ところで、
胎盤って普通に食べるの!?
以前見た映画で、母親が生き延びるために胎盤を食べるシーンがあったけど、
(同じくNetflixで『ノーウェア: 漂流』)
あれは致し方ないからだと思っていたので、
まさか普通に病院の人が「栄養満点」と渡しに来るからびっくり。
もしかして世界では結構常識?
私自身は子どもを生んでいないので、
この映画と母親の気持ちを理解することはできない、
と一言で終わるのはもったいないので、
一つだけがんばって忘れないでいようと思ったこと。
自分がその分野について経験豊富でもないかぎり、
本と出会ったときはできるだけ素直な気持ちで読もう。
見栄をはらずに。
アドバイスを受け取ろう。
その方がお得だ。
でもこの映画、
何をどうしたいのだろうかと考えてしまった。
子育ての過酷さをわかってもらって、援助の大切さを訴えたい?
でも、あんなにいい人たちが二人も居てくれたけど、ほぼ無意味に終わった…
これでは観た人達ただただビビるのでは。
子育て怖!生むの怖!
って思うだけでは。
鬱に終始していて、ただ嫌な恐怖感や閉塞感がつづく。
何かどこかでもう少し「母は偉大」と思わせてくれる、
せつない要素を観たかったなと思ってしまう。
そうしたら、大変だけど応援したい!とか、
自分も頑張ろう!
という気持ちももっと湧いてくるのに。
ただ鬱々とした怖がらせるホラーを作りたかった?
とすると、ひねりが全く無いからエンタメとしてはちょっと物足りない。
いろんなところが妄想なのか現実なのか不明で終了する。
自信過剰で愚かなタイプの母親の醜態を見せたかった?
それなら私としてはもっとバカバカしいホラー映画の方が好きだ!
私はどうしても、どうせ見るなら何か「報われる」ことを求めてしまうので、
主人公がひたすら自分の世界しか見ていないところが辛かった。
(一応ラストに自分自身を認めてあげるような展開はある)
観ていて主人公より、周りの家族が可愛そうだと思ってしまうところがちょっとあった。
これなら、良い家族や同僚の設定を無しにして、
シンデレラのように、
もっとかわいそうなキャラクターで突っ走ってみても良いかもと思ってしまった。
普通に鈍感な夫、冷たい義理母、見栄と形だけの友人たち。
これに完璧主義が玉に瑕で、頑張り屋で孤独な母親が、
追い詰められて狂気に落ちるようなわかりやすい展開でもいいのにな。
こちらの方が単純でもリアルで、
世界中のがんばっている母たちを応援したくなるのに。
ひとつすぐに思い出したことは、
私の友達も授乳中に赤ちゃんに乳首を噛まれて、
「半分ほどちぎれた」
と言っていて、想像しただけで心底イヤだと思ったこと。
同時に尊敬もしたこと。
女性を主人公にこういう映画が作られるようになったのは、嬉しい。
たとえどんなに重たくても、
知ってもらえる。
もっと実のある子育て支援につながるといいと、願ってしまう。
あとがき
鏡やガラスの反射、
影などを使って度々出てくる、自分の姿が止まっているような不気味なシーン。
お決まりだけどやっぱり発見するとゾクッと怖くて面白かった。
今度スマホで映像を撮って、
この映画のパロディ動画を作って遊んでみたいと思った。
鏡に残った方の私に、
「お母さんありがとう」のカンペを持たせる!
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