心化粧31 —— 剣と空手、そして流浪の民


彼は空手家である。
空手を学びし者が、対話することができず、その場に立ち尽くす。

亜流の剣士がその男にかける。
「お前の体は剣でできている」

彼、感動す。
彼はチャンバラを始めた。
彼が関西を制覇した瞬間であった。

チャンバラは道場で行うもの。
しかし彼らには場所がない。
道場の下で相撲道場と場所を分かつ。

しかし、富豪の医者現る。
相撲場を作り上げ、チャンバラーを追放す。

彼ら流浪の民にて、野外にて稽古す。
雨の日は、大乱闘のテレビゲームにて剣の使い手に縛りをかけ、その動きを模倣す。

やがて、鬼を滅するアニメーションが流行り、ある男は居合の練習をする。
彼は呟く。
「壁歴一閃」

東京にとあるチャンバラ学びしチームの集いし、
彼ら壮年にてありきり、
ただひたすらに流行りのアニメーションについて語る。

そこはまさに、ガラパゴスなりきりの世界。
剣を振るう者たちは、剣について語り、剣を語る者たちは、剣を振るう。

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