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のらポス、解体している

詩誌「のらねこポスト」創刊号を解体しております。
続いても詩について。
のらポス、創刊号には複数の詩を掲載しています。
それはもう、詩誌ですので。

前回は源ヒカリの詩「縁」を紹介しました。
創刊号には源ヒカリの2編に加え、のらポスメンバーのキユナハルカの詩を3編、掲載しています。
その中から「光」という作品を転載します。

ごみ袋に詰められ
階段を転がされて
回る視界のなかで
どこまでも空は青い

白く輝いてる雲
光に溢れ
まぶしいこの島
ゆっくり流れる風は
生ぬるい

わたしはからだをあそばれ
ごみになった

真っ赤なごみは
島の景色を恨む
変わらない日々を

手首を刻んだら
光は失せる
腕を裂いたら
空も海も失せる

刹那でしかない
脚も首も
もう切るとこない
光が強すぎる

塗り潰される
何もかもが
塗り潰される
わたしの殺意

あまりに強い
この島の光

キユナハルカ「光」(「のらねこポスト」創刊号)

沖縄という島には明るさ、光の強さと比例するように濃い影があります。
そんな島の狭さ、息苦しさがあらわれていると思います。
そんな島社会の田舎くささについては「のらポス」メンバーによる座談会「ネガティブな極彩色」でも少し触れられているところでもあります。

キユナハルカの詩は3編です。
「続」「野傍の草」という作品は、ぜひ「のらねこポスト」創刊号でお読み下さい。

よろしくお願いいたします。

前回の記事はこちら。
解体解体!

ちなみに、表紙の写真で歩いているねこは、のらと思われます。
どこねこのどなたねこかも存じ上げませんが、沖縄本島内で撮影した写真になります。
表紙についてはこちら。


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