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誰か助けて…

まだ、ついて来る…

どうしよう…
いったい私をどうする気なの…?
私はそう心の中で叫んだ…

今日も仕事を終えて
満員の電車に揺られていた。
そうすると
誰かが私のお尻を撫でる手を感じた…

まただ…
私はしょっちゅう痴漢にう。
どうしてなんだろう…
私が抵抗しないから…?
私は怖くて抵抗出来ないのだ。
助けを求める声さえ出せない…

まわりを見回して相手が誰なのか
見つける事すら怖くて出来ない…
ただ、怖くて震えているだけだ。

誰か助けて…

私が抵抗しないから
声を上げないから
だんだんと相手の手の動きが
エスカレートしてくる。

私のスカートをめくり上げ
ショーツにまで手を入れて来た。
指を大事な部分に伸ばしてくる…

その時、私の中で何かが切れた…
私はヒールのかかとを上げて
触れていた足先を思いっ切りんだ。

「ぐっ…!」
後ろで誰かの押し殺した声がした。

ショーツに入れられていた手が
慌てて引っ込められた…
よかった…
間違った足を踏んだのでは無かったのね。

怒りが安堵あんどと共に去った。
するとまた怖くなった。
後ろを振り返って
痛そうにしている痴漢を
確認する事も出来ない…
また身体が震えて来た。

やっと私の駅に着いた。
すぐに私は他の人と電車を降りた。
私はめていた息をゆっくりと吐き出した。

もう、これで大丈夫だわ…
いつもの見慣れた駅の風景にホッとする。

私は改札を通って駅を出た。
自分の部屋までは徒歩だ。
今日は残業で遅くなった。
外は真っ暗で人通りも少ない。

私は通い慣れた道を速足で歩く。
家族の団らんの声が聞こえる…
一人暮らしの私にはうらやましかった。
一人の部屋でも早く帰ろう…
そう思った時に気が付いた。

誰かが尾行つけて来る…
気のせいだろうか…?

振り返って見た。
特に怪しげな人はいない…様に思う。
でも、確かに聞こえた…
確かに感じたのよ。
足音を…
私を見るイヤらしい視線を…

早く帰ろう…
でも、このまま帰ったら
私の部屋がバレちゃうかも…
それは絶対にイヤ!

警察…
そうだ!
近所に交番があったわ!
確かこっちよね…
……
あった!

to be continued…

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幻田恋人
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