幽閉returns ⑫今から行って貴様を殺す…
何だ…？
今の「ドサッ！」っていう大きな音は…？
うちの駐車場の方からか…
車上荒らしか強盗か
誰かいるのか？
この俺が元捜査一課の鬼刑事だって
知った上での狼藉か？
面白い…
剣道三段の腕前を見たいんだな
この木刀で後悔させてやる
そして二度と俺の家に手を出さない様に
思い知らせてやる…
駐車場の電灯を点けたぞ
よし、勝手口のドアを開けて…
ん…？ 逃げたか…
何て逃げ足が速いんだ…
もう見えなくなった
アイツは何をやっていたんだ…？
たしか、車の方で音が…
う…うわ… な、何だ…これは…
俺の車のボンネットに…
こ、これは人間の生首…
だ…誰が、こんな…
警察に報せなくては…
そうだ、佐々木に連絡してみよう
あいつなら捜査一課だ…
殺しの事件の担当だ
あいつは誰よりも頼りになる…
優秀な俺の元相棒だ
佐々木の携帯に直接掛けてみよう…
プルルル…プルルル…プルルル…
おい… 何で佐々木の携帯に掛けたのに
ここで着信音が鳴るんだ…？
お…おい… 嘘だろ… そんな…
この生首が口に咥えてるのは…
携帯電話か…？
それが何で… どういう事だ？
プルルル… プチ…
何で俺が呼び出しを切ったら
こいつまで切れるんだ…？
まさか… そんな…？
おい… この首は…
おい…おいおい… 佐々木…
何の冗談だ…やめろよ…
やめてくれよ…
うわあああっ！
佐々木っ！ 佐々木ーっ！
何で… 誰がこんな…
む…？
佐々木の口にスマホの他に紙が…
これは…
俺に対しての手紙…
俺を誘ってやがるのか…？
畜生っ！
そんな事だけのために
佐々木をこんな目に…
よし…
行ってやる…貴様の所へ…
俺にとって、たった一人だ…
安心して背中を任せられたのは…
俺の最高の相棒だった佐々木を…
こんな目に遭わせやがって…
必ず後悔させてやるぞ
俺はもう刑事じゃない
手加減なんて無いと思え！
殺してやるぞ…
俺の手で…必ず、貴様を…
佐々木と同じ目に遭わせてやる
この手紙が指定している場所へ
今から行って貴様を殺す…
待っていろ…
それには木刀だけじゃなく
拳銃が必要だ…
書斎の机の引き出しに隠してある…
アレを持って…
貴様に何の狙いがあるのか知らんが
俺は貴様の誘いに乗ってやる
待ってろよ…
外道のド畜生野郎め
まず佐々木の首を片付ける
それにこの血を洗い流さないと
車を使えってヤツを追えない…
佐々木よ、待っていてくれ
事が終わったらちゃんと
埋葬してやるからな
それまで我慢してくれよ
なあ、相棒…
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