【特別連載】noteと共に振り返るマイスター合格への道2021 -Ⅲ-
おはようございます。副音声note3日目です。
3日目の今日は5月23日公開の「四の五の言わず」を振り返ります。昨日の「パン職人への第一歩」から1カ月以上後の話であり、実技試験までちょうどあと1ヶ月というところの記事ですが、果たしてあれから何歩ぐらい進んでいるでしょうか。
冒頭から最初の句点まで比喩って比喩って7行もかかっています。それからこう続いています。
思い出しました!物凄く心が重たくなっていた1週間を!
それまでずっと朝から晩まで勉強(8割翻訳)に明け暮れ、作中に登場する「寝食を惜しみ心血を惜しまず注ぎ込んで」の言葉通りとにかくがむしゃらに机に齧りついていたわけですが(#思い返すと狂気)、この時心が重たくなったのを「体力と気力が限界で休ませてと言う体の悲鳴かもしれない」と思えた事は、我ながら成長を感じる一幕でした。なので「勇敢な決断」と表現していました。
以前の私であれば「そんな怠けた事を言っている場合か!」と一昔前の香り漂う狂気に拍車を掛けて、むしろ前へ前へともがいていただろうと思うのですが、それでは効率が悪いという事に気付けたんですね、この時は。それこそ友人と連絡を取る事もビールを飲む事も自らに禁じていたので、いくら好きで前向きに頑張っているとはいえどうしても捌けきれないストレスが蓄積していたのが原因だったと思います。思いますって言うか原因です。
フーバー先生という人が登場しますが、本当に気に掛けていただいていました。
早口だしバイエルン訛りがあるし、授業中にイジられたりしたこともあったんですが瞬時に理解出来ずに、ろくに面白い返しも出来なかったのが本当に悔しかったのを覚えています。それで言うと現在進行形で、今働いている職場でもバイエルン訛り(しかもちょっとまた微妙に種類が違う)が飛び交うので会話に入ったり冗談へのリアクションだったり瞬発力が必要な場面でもどかしい思いをしています。来年は会話の瞬発力マイスターを目指して頑張ります。
フーバー先生から度々されていたこの質問。上の文だとこの質問をきっかけに前向きな気持ちになれていそうですが、それに続く
こっちの感情とのせめぎ合いは必至でした。いわゆる孤独との闘い、己との闘いみたいなことですね。自分の中の情熱と目標に則ってひたすら勉強している傍らで「週末にはこんな事をするんだ」とか「学校(期間)が終わったら休暇を取ってるんだ、楽しみ」とかっていう声を耳にすると、そんな余裕も娯楽も無い自分の環境が悔しいって錯覚してしまっていたんですよね。それが錯覚だって分かっていたので妬んで嫉んで恨むような事は一切無かったんですけど、嫉妬して愚痴れば片付けられる事では無かったことがまたしんどかったんでしょうね。話がだいぶグロくなっていきそうなので次に進みます。
この失敗も鮮明に思い出せます。確かフォンダン(滑らかなクリーム状をした砂糖衣の一種)を温め過ぎたっていう失敗で、しっかり休んで元気いっぱいだった週での失敗だったのでその時はめちゃくちゃ落ち込みました。
これは単純に私の無知が引き起こしているんですが、それまで何年かパン屋で働いて職業学校も通った中で本当に知る機会が無かった事で、でも周りのクラスメイトの間には「こんなの基礎中の基礎だろ」みたいな空気があったのでまさに居た堪れない状況でした。もっと言うとプルンダ―を扱う経験も圧倒的に乏しかったので(仕事では殆ど触らなかった)、その辺もクラスメイトとの差を感じていました。
今の職場に入ってからプルンダ―生地もフォンダンも実践の中で扱うようになったので、その時の、というかそれまでの経験不足を埋めている感覚で毎日働けています。
そんなダメージを負った日の事でした!ここから少し長めの引用になりますがご容赦ください。
そんな事があったんですね、ちょうど大ミスをして落ち込んでいた日に。体調が回復したとはいえ日々増える傷はどうしても避けられなかった週に。それを受けてこうです。
要約すると「泣きそうになった」です。近頃あらゆる場面で割と簡単に「泣きそう」になる人が多いような気がしているので、ちょっとチープに大袈裟に聞こえてしまうかもしれませんが、この時ばかりは一瞬でも気を緩めたら多分泣いていました。嬉しいとか悲しいとかとはちょっと温度の違う涙がすぐそこまで込み上げていました(そんなにぎりぎりまでは込み上げてなかったかも)。
とにかく日々の孤独とか、クラスメイトとの差とか、余裕のない体力気力とかっていうたくさんの細かい傷口を撫でられたようなシーンでした。
ちなみに「四の五の言わず」というタイトルになっていますが、本文中では文字通り四と五を抜いた一から十の漢数字を散りばめてあります。案外余裕があったのかもしれません。
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