【特別連載】noteと共に振り返るマイスター合格への道2021 -Ⅴ-
おはようございます。副音声note5日目、折り返しです。「簡単に振り返ろう」「普段の純文学より手軽に読めるように短くしよう」と思いながら毎日結局純文学と同じくらい長く書いてしまっています。今日も長くなりそうな回です。お付き合いください。
そんな今日は7月25日公開の「緊急事態」、及び魔の7月末を振り返ります。ちなみに製パンの筆記、実技試験に次ぐ3つ目の試験回でもあります。
ドイツパン修行録史上最も重々しいタイトルが印象的なこの話は、終始穏やかな展開を迎えません。そして読み返してみて思いました。何故この状況でそれを冷静に文学に落とし込んでいたんだ、と。
冒頭のスモールトークも無く、早速外国人局へ出向く準備のシーンで幕を開けます。そして猛烈な不安感を抱えた心情の描写に移ります。余裕の無さがうかがえます。
と思いきやこんな固有名詞を使った表現言い回し。意外と余裕がありそうです。ちなみにこの部分、日本を代表するカリスマデスマッチレスラー2人(葛西純、竹田誠志)の体の傷痕と自分の内面的傷痕の対比になります。どちらも閲覧注意です。
それから外国人局に着き、待合室で待っている描写へと続き、そして
この1文が上下2行ずつのスペースを空けて打ち出されます。「緊急事態」の核になります。
これを通告された時は本当にピタッと世界が止まったように景色の見え方が変わって、「頭が真っ白」とか「背筋が凍る」とかってこういう事なんだろうと思いました。
この特別連載の第1回目で「*13 学びて時にこれを習う、悦ばしからずや」を振り返った際に「そしてこのニート期間が後々問題を引き起こした事など私の社会的未熟さが原因の失態もあるのですが」という風に書いた部分があったのですが、まさにこれです。簡単に言うと労働義務があるにもかかわらず働いていないルールを犯している外国人はドイツに居させられません、という話でした。
それでも局の担当者が有難い事に鬼ではなく、「マイスター取得を目指している事自体は本当に素晴らしい事だから」と”まさしく武士の情けとも思える解決策が提示され”ました。それがこちら。
※7月19日に受け取った通達です(残り時間10日)。
※絶賛試験勉強に追われています(残り時間4日)。
ここから怒涛の仕事探しです。仕事探しだけならまだしも試験勉強も大詰めでした。これがしかも教育者適性試験(和訳が難しい:Ausbildungseignung)という自分にとって全く新しい分野であり、その上画面越しのオンライン授業、極めつけはバイエルン訛りという環境で簡単に内容を理解するのは難しいときた。
「勉強をしないと試験に落ちる」というプレッシャーと「仕事を見付けなければ追い出される」というプレッシャーに挟まれる毎日の中で、何十件と送った応募から唯一郵便配達の面接が決まりました。上で書いてある通りそれが木曜日。なんとか首の皮が一枚つながっただけでも、おかげで一気に試験の方へ気持ちを全集中させられたので助かりました(※試験は金曜日)。
この特別連載で振り返ってみていてお気付きの方もいるかもしれませんが、思い返すと本当に恐ろしくなったり震えたりしてばかりです。そしてこの「緊急事態」の1週間にも漏れなくゾッとしています。
上記の引用の通り、マイスター取得の為に受けた4つ(追試を含めると5つ)の試験のうちで最も手応えが無く、最も「もう終わった、駄目だ」と思ったのは何を隠そうこの時の試験です。試験当日のパフォーマンス云々よりも事前準備がほとんど出来なかった事が最大の要因です。
結果的に合格出来て本当に良かったのですが、この時ばかりは結果を受け取っても実感を得られないどころか結果を疑うレベルでした。
試験直後にこうして誘われたのですが、この時の疲労感は心身ともに2021年で1番でした。
これはもう火を見るより明らかなダウンでした。
試験が終わっても心身が重たかった理由は、当然この時点でまだ未解決の仕事探し問題のせいです(もとい自分のせい)。この翌週月曜日に郵便配達の面接が入っているものの、日付で見れば7月26日。7月末までに仕事を見付けなければいけないというミッションです。
またこの時、26日から始まる7月の最終週にマイスター学校期間を終えた10月以降の働き口候補として応募した3件のパン屋の面接が既に予定されていました。緊急のミッションは8月の働き口探しです。残り時間5日です。その内パン屋の面接で時間が押さえられてしまっています。
この「*27 緊急事態」から「*28 チャリオット」の流れは完全に『2021年のハイライト』です。明日、満を持して「*28 チャリオット」を振り返りますが、ここまで読んだ時点で先が気になるという方は明日を待たずに本編を読んじゃってください。
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