見出し画像

驚きの技術で大逆転!?…滅亡寸前から立ち直る日本の稲作…菌の力を活用する超低コスト低メタンの乾田直播



減反政策

 1970年代、主食用のコメ余りが問題となり、コメの作付面積を制限する減反政策が導入されました。
 主食用のコメから飼料用米や麦、大豆などに転作した農家に補助金を給付することで、コメの生産量を減らして、コメの需要ピッタリの供給となるよう調整し、米価を高く維持してきました。
 現在は、政府による生産調整は行われなくなりましたが、代わりに農協によって生産数量目標が設定されています。
 転作に対する補助金はむしろ強化され、実質として減反政策は続いています。


減反という解決策は正しかったのか?

 日本のコメ農家の約7割は兼業農家だそうです。
 主業農家は大規模営農でコストを抑えられますが、兼業農家は小規模なので生産性が低く、主業農家と比べ米価が割高になります。

 兼業農家の様な小規模農家でも生計を立てられる様に、供給が需要を下回るようにするというのが減反ですが、そんな対処療法的な解決策が果たして正しいのでしょうか?

 国民は現状の物価水準で生きていかなければならないわけです。
 「コメが高いと言わずに買いなさい」と言われても買えませんよ。
 よってコメを買い控えるわけです
 そして需要が落ちるため米価は下がる
 
 困ったJA&農林水産省は更に減反を進める
 コメ農家が減る
 供給が落ちるため米価は上がる
 結局、消費者はコメを買い控える
 
 この流れがループされ、コメ農家が減っていくだけで、米価が高いのも、生産性が低いのも解決されません。

 減反政策は間違っていると言えます。


解決策は生産性を上げること!? 

 では、どうすれば良いのか?
生産性を高めて米価を下げても、やっていけるようにしたら良い】
 そんなバカな……
 出来るわけがない……
 そう思っていた時期も有りましたw
 トゥリーアンドノーフさんを知るまでは…

 トゥリーアンドノーフ株式会社の乾田直播についてモーニングショーで取り上げられていました。

 トゥリーアンドノーフさんの取り組みとは…
 菌根菌(マイコス)を活用した乾田直播による稲作です。
 乾田=水を張らない
 直播=畑に種を蒔く
    育苗→田植え の工程をカット
 これによって従来の稲作のコスト・手間・環境負荷を大幅にカットできるとの事。

具体的には…
米1キロ当たりの生産にかかる
コストは
全国平均254円のところを100円以下に抑え
労働時間は
全国平均約21.6時間から約4.5時間に削減
出来るというから驚きです。 

 環境負荷として、水田はメタンガスの発生があります。
 水稲のために水田に水を張ると、土壌中の酸素が少なくなって、メタンが発生してしまうのです。
 
 しかし、トゥリーアンドノーフさんの乾田直播なら、水を張らないのでメタンガス発生を低減出来ます。

 超低コスト低メタンでの生産は、これからの日本の稲作の主流になると思います。

 水田の伝統、生態系の重要性を唱える方もいますが、 国民の生活、農家の生活、双方を両立させる事のほうが優先だと思います。
 水田が廃れるのが嫌だと言うのなら、伝統文化としてコストをかけて残していけば良いと思います。

 トゥリーアンドノーフ株式会社の徳本修一さんはモーニングショーで、日本の農業の未来について熱い思いを語っておられました。

・農協が悪いとか減反が悪いとか言っても解決しない
・小規模農業を維持するのは限界がある
 綺麗事ではすまない
・農地を大規模の農家に集約する必要がある
・地方に点在する農地は区画整理してでも集約すべきだろう、その議論は始まっている

 だいたい上記の様な事を仰っていたと記憶しています。

 現実を知り、失敗を経験しつつも諦めず、課題に真っ向勝負して道を切り拓いたこの方は、凄いなと思いました。


おわりに

 コメ余り問題に対する、JA&農林水産省の対応は、国民の税金を投じて小手先の需給調整を行い高米価を維持し、コメ農家を守ろうというものでした。

 結局その方法では、生産性の問題は解決されず、コメ離れはますます進み、稲作の担い手は減って行きました。

 そんな状況下でも稲作の可能性を信じ、生産性向上にチャレンジしていっている開拓者達がいます。

 トゥリーアンドノーフ株式会社の徳本修一さんも開拓者の1人で、菌根菌を活用した乾田直播という農法を確立しました。

 JAも農林水産省もボタンの掛け間違えをしたまま、突き進んじゃったのだろうと思います。

 せっかく開拓者が道を切り開いてくれたのだから、JA&農林水産省は農政の失敗を認め、更なる生産性の向上とそれに伴う環境整備について、全力でサポートしてあげて欲しいです。
 


いいなと思ったら応援しよう!