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「戦略策定」「マーケOps」「デザインOps」「データ分析」をつなげて、欲張り組織を作った話

こんにちは。
クラウド人事労務ソフトを提供するSmartHRで働いているgenboです。
3年ぶりのnote投稿です。(前回の記事:SmartHR 1人目のデータアナリストが過ごした1年間

前置き

SmartHRは2024年に大規模な組織再編を行いました。
マーケティング領域も組織を刷新し、マーケティングとコミュニケーションデザイン(通称コムデ)を統合した「ブランディング統括本部」(通称ブラトー)が誕生しました。

組織は4つの本部に分かれており、このnoteでは「ブランドデベロップメント本部」について、ミッションや各チームの役割をお伝えします。

他本部のお話は以下のnoteをぜひご覧ください!


この記事は、以下のような方の参考になれば嬉しいなと思い、筆を執っております 🙇

  • 100名前後のマーケティング/デザイン組織づくり、業務を推進するための仕組みづくりに興味がある方

  • データ分析、オペレーション構築、マーケティング戦略策定などに携わっている方

  • SmartHRという会社に興味を持っていただいている方



いきなりまとめ

  • 「ブランドデベロップメント本部」は、SmartHRという企業及びプロダクトが市場で選ばれ続けるために、マーケティングとコミュニケーションデザインの全体方針や実行の仕組みを提供する組織です。

  • 所属する4組織の強みをつなげて
    【戦略策定 → つくる支援/とどける支援 → データ分析→戦略反映】というサイクルを実現します。

  • 積極採用中です!!


本部の紹介

「ブランド」を「デベロップメント」させる組織

SmartHRでは、「ブランディング = 競合優位性を戦略的に作り、指名される状態にしていく一連の活動」と捉えています。

  • 製品とそれを取り巻く一連の体験を通じて、お客様に価値を提供し市場で選ばれ続ける製品になること。

  • 直接的なお客様だけでなく、全てのステークホルダーを対象としてSmartHRの印象を高めていくこと

を目的に活動を積み重ね、ブランドを進化・発展させていくことを「ブランドデベロップメント」と位置づけています。

ミッション

「ブランドデベロップメント本部」は一連のブランディング活動を通じて、SmartHRがさらなる事業成長を遂げるために

  • ブランディング領域における「①理想状態を定義」

  • それを絵に描いた餅で終わらせずに「②実行まで支援」

  • 試行と仮説検証を通じて学びを得て「③常に改善し続ける」

  • ①〜③を重ねることで、効率性、生産性、施策成功確率などの向上をリードする存在となること
    を目指して、活動していきます。


各ユニットの紹介

ブランド デベロップメント本部は3つの部と4つのユニットで構成されています。※ユニット:チームの最小単位

それぞれのユニットの役割を簡単にまとめたのが以下図です。

詳細は後半に記載しますが、4組織が連動してバトンをつなぐことで、ブランドの持続的な発展(デベロップメント)サイクルを構築していくことを狙っています。

※本記事での「デザイン」が示す範囲は、主にコミュニケーションデザイン領域です。

ここからは、各ユニットの詳細です。
※上の図と前後しちゃいますが、分かりやすい順にお伝えします🙏


アナリティクス&ソリューション部

アナリティクスユニット

「データ分析による、事業成長と意思決定支援」をミッションとしています。

昨年までは、データ分析と並行して「マーケティング専用のデータマートの構築」を短期ミッションとして取り組んできました。
1年間をかけて大方実装できたので、今年はその基盤をフル活用し、事業成果につながる分析アウトプットをどれだけ提供できるかに注力していきます。 

施策レベルでの細かい改善サイクルを回す支援もあれば、 事業計画や新しい KPIを策定するなど中長期で取り組む戦略レイヤーの分析テーマもあります。
また、分析対象としては、マーケティング領域を主としていますが、アップセル・クロスセルにつながる分析をCSと共同で行うなど、データを武器とした課題解決のため、縦横無尽に走り回るチームです。

働き方や分析事例については、以下記事を是非ご覧ください!


ソリューションユニット

  • MAやSFA(営業支援システム)を中心に各システムを駆使して、マーケティング施策によって獲得できたお客様の情報を迅速 かつ 正しく連携すること

  • 顧客データ基盤を強固にし、みえない部分でのお客様の安心をつくることをミッションとしています。

また、既存ツールの運用にとどまらず、将来的なマーケティング施策の可能性や事業展開に応じて、理想的なテクノロジースタックを考え、全体最適なシステム構成を設計する役割も担っています。

近年、「Marketing Ops」という職種が提唱されていますが、SmartHRの構想もこれに近しく、マーケティング組織の生産性向上や、新たなチャレンジを可能にするために、システムやデータの管理、プロセスの管理・運用に徹するスペシャリストが所属しています。

『マーケティングオペレーション(MOps)の教科書 専門チームでマーケターの生産性を上げる米国発の新常識』 を参考に作成

なぜ「アナリティクス&ソリューション部」なのか?

データ分析では、「Garbage In, Garbage Out(使われているデータが不完全であれば、出てくる分析結果も不完全である)」という言葉がよく使われます。
「とりあえず集めておいたデータを分析し、そこから仮説発見しよう」というアプローチは危険ですし、BtoBは人が入力するデータが多い分、特に注意が必要です。

この問題に対応するべく、これまでは「蓄積データをどう前処理して分析に耐えうるものにするか」に時間をかけていました。
今年からは「分析を見越して、データ取得する」ことを重視して、オペレーションチームとデータ分析チームを隣接させています。

これにより、データアナリストは「そのデータを活用してどのような意思決定を下すのか?」という目的を設定し、データ取得段階から分析をデザインすることが求められます。

また、オペレーション担当は、個別施策のスピード感を担保しつつ、分析に有用なデータを蓄めるという両立が求められます。

施策を最高速度で実施するためのオペレーションと、得られたデータから学びを抽出するためのオペレーションは、ときに【個別化 vs 標準化】という形で相反しますが、ここで「オペレーションの最適な硬さ」を見極め実行することが、新たなチャレンジになると考えています。


ストラテジー部

統一されたマーケティング/ブランディング方針や、プロモーションコンセプトを策定し、各部の施策目的を揃え効果最大化することをミッションとしています。

大きく分けて、短期の時間軸で取り組む業務と、中長期の時間軸で取り組む 業務が存在します。

  • 短期
    新規プロダクトリリース時やアップデート時の成果最大化のために、コミュニケーション戦略(誰に、どのような価値を提供するのか)を策定し、実行部署を支援します。

    SmartHRは事業戦略として「マルチプロダクト化」を掲げ、労務管理領域・タレントマネジメント領域を中心に、今後プロダクトを拡大・成長させていきます。
    また、これらのプロダクトの市場浸透を担うブランディング統括本部は、現在100名を超える大規模組織となっています。

    このような【マルチプロダクト×大規模組織】では情報量が人の認知限界を超え

    • 一貫した価値訴求に沿って施策を積み重ねること

    • 個別プロダクトの顧客価値を各チームや個人が考え施策反映すること
      が至難の業になってきます。

      そこで、全体を俯瞰し【Who、What(誰に何を)】 を定義する役割をストラテジー部が担い、【How(どのように)】の決定は各チャネルのスペシャリストが担当し、自律的に施策推進するという形で役割を分担しています。

『マーケティング思考 業績を伸ばし続けるチームが本当にやっていること』を参考に作成
  • 中長期
    統括本部内で、1年程度の時間をかけて解を出していく論点を「ブラトーイシュー」として定め、リーダーを立てて解決に向けて推進しています。

    例えば

    • 複数プロダクトや事業領域に対して、マーケティング資源の配分をどう意思決定するべきか

    • 競合他社と比較した際に、自社が選ばれる理由とは
      などなど(詳細はカジュアル面談でぜひ!)

      【緊急度中 × 重要度大】のテーマに対して、ロードマップを策定し、市場調査やデータ分析から解を導き、マネジメントと議論を重ね方針を定める役割を担っています。


コミュニケーションOps部

やや耳慣れない言葉かもしれませんが

  • デザインクリエイティブ領域に軸足を置いた、業務プロセスの改善

  • 人材を活用するための採用方法や アセスメントの策定
    などをミッションとしているチームです。

昨年までは「コミュニケーションデザイングループのクリエイティブ活動を支えるインフラになる」をミッションに、DesignOpsにおいて定義される4つの役割に注力してきました。

※職種としては、近年提唱されている「デザインプログラムマネージャー」の定義に近しく、デザインの価値とその影響を最大限に引き出すための活動をしています。

『DesignOps Handbook (inVision)』を参考に作成

デザインの価値とその影響を最大限に引き出すためには、デザイナーへ働きかけるだけでは片手落ちで、非デザイナー(分かりやすさ重視でこの表現を使います)も含めた包括的な活動が求められます。

今年からは組織を統合したことで、デザイナー/非デザイナーの距離が徐々に縮まっていくことを期待していますが、これを意識的に加速させデザインの価値を高めていくことが、コミュニケーションOpsの使命です。

また、職種を超えたコミュニケーションとコラボレーションを活性化するためには、システムやプロセスといった要素だけに目を向けるのではなく、人と人との関係性に働きかけ協働を促進することが重要です。

※ 以下図の「議論」の関係に到達するために、「会話」→「対話」の関係をつくり、強固な組織の土台を築くというイメージ。

リクルート ワークス研究所『Works108号』(2011)

こういった狙い(マーケ,コムデの括りを取り払う・人と人の関係性に働きかける)があり、ユニット名は「コミュニケーションOps」としています。

この役割は、大規模かつ職能を超えた組織ではとても重要で、両職種の「架け橋」となり、デザインの価値と影響を高めることに大きく貢献すると考えています。


組織の連動でブランドを発展させる


最後に、これまでお伝えした4つの組織で「何を成し遂げたいのか」

冒頭の内容と重ねてになりますが、実現したいのは「4組織が連動してバトンをつなぐことで、ブランドの持続的な発展(デベロップメント)サイクルを構築していく」ことです。

【戦略策定 → つくる支援/とどける支援 → データ分析】というプロセスを通じて学びを抽出し、戦略,施策に反映する。
このサイクルを着実に回し続けることで、事業と組織が進化していくと考えています。


「業務内容(何をやっているか)」を見れば、4組織はバラバラです。

ただ、「業務目的(何のためにやっているか)」は共通であり、「SmartHRを市場で選ばれ続けるより強いブランドにするため」さらにそれを通して社会により良いインパクトをもたらすためです。

本部は生まれたばかりですが、各フェーズで強みや職能を活かし、SmartHRがより強いブランドを構築するための支援をするべく、日々挑戦していきます!


おわりに

こんなチャレンジを一緒にしてくれる方、積極採用中です!!
カジュアル面談からでも大歓迎ですので、以下からぜひご応募ください。



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