実演販売、テレビショッピングでお馴染みのあの話法(疑問解消法)

皆さん、例えばテレビを観ていて芸能人の名前をド忘れして思い出せない、耳にした曲のタイトルが出てこない・・・モヤモヤしますよね。この時「〇〇でしょ」と誰かが答えを教えてくれるとものすごくスッキリする、ある意味快感すら覚えます。

今回ご紹介するのは、このモヤモヤとスッキリを応用した説得話法です。実はコレ説得効果だけではなく、相手の関心を惹きつける効果も高く、テレビショッピングや実演販売、某有名MCも使っていたという実績もある私イチ推しの話法です。

お昼のワイドショーの一場面を想像してください。

「今日テレビをご覧になっている奥さん、あなた非常にラッキーです!!」

まずこの一言で例えばキッチンで洗い物しながら音だけ聴いていた視聴者も思わず振り返ってしまいます。

「何かしら?」

そして洗い物の手を止め振り返るタイミングを見計らったかのように
「だって奥さん、あなたこれで5年長生きできますから!!」

こう言われたテレビの向こうの奥様方は
「確かにそれならラッキーね、でも一体どうすれば、そんなに簡単に5年も長生きできるようになるの?」
となるワケです。

「簡単です、バナナを一日一本ずつ食べるだけでいいんです。これなら簡単でしょ?番組終わったらすぐにスーパーに買いに行ってらっしゃい。」

「えっ、それだけでいいの?それなら確かに簡単だし今日からでもできるわね。でもどうしてバナナで長生きできるの?」

とまぁ、こんな感じです。文字にしてしまうと若干伝わりにくいところもあるかもしれませんが、ついつい話に引き込まれていく展開になっているのがお分かりいただけたでしょうか?

ポイントはテレビの向こうの視聴者が次から次へと疑問に思わされているところです。そしてこのMCはそれらの疑問に関して次から次へと答えを提示していきます。ですから視聴者は「えっ、何だろう?」と疑問に思うことで関心を惹きつけられ、そして答えを教えられ快感を覚えるということを繰り返しています。テレビに釘付けされてしまいますね。

このMCは意図的に情報を小出しにすることで、視聴者の次なる疑問を誘発させているワケです。そうやって惹きつけることで、飽きさせないようにチャンネルを変えられないようにしています。

このように相手に疑問に思せて惹きつけ、答えを提示しスッキリさせる話法を私は「疑問解消法」と呼んでいます。

使い方としては、自分が相手に伝えたいこと、印象に残したいこと、説得したい事柄などを自分から一気に話してしまうのではなく、情報を小出しにしながら相手に「その答えは何?」とか「その続きを教えて!」と思わせるようにすればいいのです。

これは「ツァイガルニク効果」というものを応用しています。ツァイガルニク効果とは中途半端に終わってしまった事柄や未完成のことが記憶に残ってしまったり、それを完了させたいとか続きを知りたいという気持ちになることです。

ドラマの予告編や最近ではテレビCMの「続きはwebで」などというのもこのツァイガルニク効果を応用した事例といえます。


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