Schubert: String Quartet in A minor, D.804 《ロザムンデ》 講師:ジュリアード四重奏団
プロジェクトQ・第21章 ~ 若いクァルテット、シューベルトに挑戦する
公開マスタークラスを聴きに行ってきましたので、指導内容をレポートします。
10月23日(月)渋谷ホール&スタジオにて
講師:ジュリアード弦楽四重奏団
受講生:Vn1五月女恵 / Vn2清水耀平 / Va川邉宗一郎 / Vc蕨野真美
受講曲:シューベルト 弦楽四重奏曲 第13番 イ短調 D.804「ロザムンデ」
Vn2が8分音符をどう活き活きさせられるかが難しい曲です。
和声的に曲を発展させていく役なので、それがきこえたほうがよい。
今、シンプルで簡単そうに弾かれていますが、シンプルではないので、もっとドラマチックで葛藤がみえるほうがよい。
どうすればいいのか困ったら、歌のように弾いてみましょう。
歌ってみて上がりにくいところは時間をとる。どみどしどみ【ら】とか。
弾き始めが神経的に大変だと思いますが、左手のVibで右手を動かすイメージで。
Va/Vcは、拍がどこか?拍の存在感を出しましょう。
Vn1は、3人が共感できるような雰囲気を、和声からつくり、ジェスチャーで示しましょう。
「シューベルトの曲は、符点がある所に魔法がある」と私の先生が言った。
絶対届かない願望が、符点のリズムに入っている。符点のリズムの、長い音をどう持っていくか。
クロマティックの進行を使っているところを紫色で丸でかこんでみます。スパイシーな和音になる部分です。「痛たたた」というのを出してほしい。駒に近づいて。さらっと通り過ぎずに、味わって。
Va/Vc、今、譜面に書いてあることに従っていて、歌に従っていないです。Vn1の歌をよく聴くように。sfをズーンとやっているが、歌はもっと優しく歌っていますよ!音量でなく、雰囲気の話です。
Vn1は音の前に子音を加えてみましょう。母音歌唱でなく。くっきりします。
どの程度やるかは、自分の耳とセンスで判断を。
劇的なところでは、舞台の上にいる俳優のように、身体を使ってジェスチャーでもお客に伝えましょう。
どの和音がスパイシーですか?緊張がありますか?
その和音は、客が解決を欲するように弾きましょう。さらっと弾かないで。
和声外音にビブラートかけましょう。
講師プロフィール
ジュリアード弦楽四重奏団 Juilliard String Quartet
この曲の講師
モリー・カー ヴィオラ
Molly Carr, viola
アストリッド・シュウィーン チェロ
Astrid Schween, cello