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「誰もが分かりやすいデザイン」のヒント、カラーユニバーサルデザインを知ろう!
こんにちは。皆さん、いかがお過ごしでしょうか。
徳島県吉野川市のデザイン事務所 きらきら工房です。
月1回、デザインについてのアレコレを、ビギナーさんにも分かりやすく解説したコラムを書いていますので、良かったら最後まで楽しんでいってくださいね。
皆さま、あけましておめでとうございます。
本年もどうぞよろしくお願いいたします。
まずは、本年1月1日に発生した能登半島地震や、2日の羽田空港での事故に遭われた皆さまに心よりお見舞いを申し上げます。
こんなに悲惨な災害が、いつ何時起きるかわからないということを、あらためて胸に刻まれた年始でした。
ですが、私たちがやるべきことは、自粛したり落ち込んだりすることではなく、どのように復興に協力できるかを考え、実行することなのだと信じています!
今回のコラムのテーマも、どんなテーマにしたらいいかな…と悩んでいたのですが、私たちの生活に深く関わっている「カラーユニバーサルデザイン」をご紹介することにしました。
カラーユニバーサルデザインを知ることで、もっと「誰もが分かりやすい」ものをつくることができるようになりますよ!
カラーユニバーサルデザインってなに?
まず初めに、「カラーユニバーサルデザイン」が何なのか、印刷インキの製造販売を行っているDICグラフィックス株式会社のホームページを引用してご説明します。
色覚の多様性に配慮して、より多くの人に利用しやすい製品や環境、サービス、情報を提供するという考え方を「カラーユニバーサルデザイン」と呼びます。
https://www.dic-graphics.co.jp/navi/color/ud.html
身の回りにはいろんな色があふれていますが、その色を感じて見分ける力(色覚)には個人差があることが分かっています。
過去には、学校で色覚検査を受けていた時代があったのですが、現在は希望者のみ色覚検査を受けているようです。ですので、コラムの読者さんの中にも色覚検査を受けた覚えがある方がいらっしゃると思います。
色覚にはいろいろなタイプがあり、一般的な色覚を持つ人もいれば、特定の色が見分けづらい人(色弱者)もいます。日本では、およそ320万人が色覚異常を持っていると言われています。
日本では男性の約5%(20人に1人)、女性の約0.2%(500人に1人、保因者(※)は約10%)が色弱と言われ、およそ320万人です。そのほとんどがP型とD型です。「男女同数の40人クラスなら1人は色弱である」と、色弱の人の数をイメージするのによく言われます。
また、目の疾患や加齢に伴う後天的(糖尿病性網膜症、網膜色素変性症、緑内障、白内障など)な色覚の変化を合わせると約500万人いるといわれています。それだけ多くの人が「色弱者」であり対応が必要ということでしょう。
※色弱の遺伝子をもってはいるが見え方はC型の人。女性の10人に1人。
https://cud.nagoya/basic/
「カラーユニバーサルデザイン」は、どんな色覚タイプの人でも見分けやすい・利用しやすい色づかいを行うことなんです。
カラーユニバーサルデザインのポイント
では、どんな色覚タイプの人でも見分けやすい・利用しやすい色づかいはどのように行えばいいのでしょうか。
社会を人の色覚(色の感じ方)の多様性に対応、改善してゆくことで「人にやさしい社会づくり」をめざして2004年に設立されたカラーユニバーサルデザイン機構(略称:CUDO)というNPO法人が、カラーユニバーサルデザインの3つのポイントを定めています。
出来るだけ多くの人に見分けやすい配色を選ぶ。
色を見分けにくい人にも情報が伝わるようにする。
色の名前を用いたコミュニケーションを可能にする。
文章だけではどういうことか分かりにくいと思いますので、ぜひ上記のリンクから内容を確かめてみてくださいね。
ガイドラインでもっと詳しく
自治体や企業などが発行している、カラーユニバーサルデザインのガイドラインがいくつもあります。
カラーユニバーサルデザインガイドライン
どのガイドラインも要点がまとめられていて分かりやすいのですが、実例が多いものや読みやすいものなど、個人的にオススメしたいものは下記の8つです。
福島県 「カラーユニバーサルデザインガイドブック」
東京都文京区 「カラーユニバーサルデザインを含む情報提供ガイドライン」
神奈川県横浜市 「わかりやすい印刷物のつくり方」
神奈川県川崎市 「公文書作成におけるカラーユニバーサルデザインガイド」
愛知県 「視覚情報のユニバーサルデザインガイドブック」
鳥取県 「カラーユニバーサルデザインガイドブック」/「カラーユニバーサルデザイン改善事例」
大分県 「わかりやすい印刷物のつくりかた」
ざっと目を通しただけですが、共通する項目もありつつ、それぞれに表現を工夫していたり、色覚に関してだけでなく、他の要素にも触れていたりと、どれも「確かにそうだ!」と再認識することが掲載されています!
ご自分に合ったガイドラインを見つけて、すぐに読み返せるよう保存しておくといいかもしれません。
配色ガイドライン
デザインだけでなく、配色のガイドラインもPDFで配布されています。
こちらは、塗装用・印刷用・画面用・その他 の分野ごとに「比較的見分けやすい色の組み合わせ」や「見分けにくい色の組み合わせ」を紹介してくれています。
すぐに取り組めること
ガイドラインを読んだり、実例を見たりしながらじっくりと知識を深めることが大切なのですが、すぐに取り組めそうなものだけ、いくつか抜粋してご紹介していきます。
黒と赤、緑と赤の組み合わせを避ける
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黒と赤・緑と赤は、色弱者(特にP型やD型)にとってかなり見分けにくい色だと言われています。
そのため、赤を朱色やオレンジ色に変更したり、強調したい部分は太字や下線を引くことで、より強調が分かりやすくなります。
また、緑と赤の組み合わせは一般色覚者にとっても視認性が良くないので、なるべく組み合わせないか、どうしても組み合わせる場合は隣り合わせにならないようにする(背景を白にする)と読みやすくなります。
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緑は青み寄りに、赤は黄み寄りにする
上の項目でも書きましたが、色弱者にとって緑と赤はとても見分けにくい組み合わせです。しかし、青みと黄みは比較的見分けやすいので、緑は青み寄りに、赤は黄み寄りにすることで見分けやすくすることができます。
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縁取りや境界線を使う
色と色が接していたり、薄い色のものは見えにくく感じる可能性があります。シミュレーター等を使用して、見えにくいかな?と感じた時には、縁取りや境界線をうまく取り入れることで、見えにくさが改善します。
もちろん、色の変更ができる場合には、色を変更することも一つの手段です。
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色だけに頼らず、アイコンや図形を使う
ショッピングモールの地図を思い浮かべてもらうと分かりやすいかもしれません。レストラン街、アパレル、雑貨などの分野ごとに色分けされていることが多いと思いますが、そこにアイコンが配置されているとより分かりやすいですよね。もし色の見分けがつきにくかったとしても、近くにアイコンや関連するイラストが添えてあるだけで、ぐっとわかりやすくなります。
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色覚シミュレーションツールも使ってみよう
実際に自分が作ったデザインがカラーユニバーサルデザインに沿ったものか判断するのは難しいですよね。
そんなときは、色覚シミュレーションツールを使うと便利です!
パソコンだけでなく、スマートフォンで使えるアプリも開発されています。
スマホのカメラや保存している画像を読み込むと、リアルタイムで変換し、シミュレーションしてくれるものなんですよ!
このアプリの開発者 浅田一憲さんは、色覚異常などが原因で、色が見えにくい、色を見分けにくい人のための色覚補助ツール「色のめがね」や、小さな文字などが読みにくい人のための読字補助ツール「明るく大きく」といったアプリも開発されています。
まとめ
今回は「カラーユニバーサルデザイン」についてご紹介してみましたが、いかがでしたでしょうか。
色覚に限らず、自分が経験したことのない状態について理解し、正しく配慮するというのは、とても難しいことですよね。
それでも、理解しよう・配慮しようという気持ちを持ち続けて、より多くの人たちが暮らしやすい世の中になるといいなぁと思っています!
それでは、次回もお楽しみに!
徳島県吉野川市のデザイン事務所 きらきら工房
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