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〈詩〉金色の光の中で

川辺にはいろんな生き物が来る
毛虫がフサフサの毛並みを輝かせながら
懸命に白い法面を渡ろうとしている

防波堤の上から、不服そうな顔で
わたしをにらみつけているのは
キツネかタヌキかハクビシンか?
「ナワバリ荒らすんじゃねえよ!」
と言いたげな顔で

自信たっぷりのカラスは
わたしが近づいても逃げやしない
「だから何?」と言いたげな表情で虫をついばむ

虫の死骸をセッセと運ぶ働き者のアリさん
わたしの視界を邪魔するブヨ
そっと花の蜜を吸うチョウにスマホを向けたら
逃げられた
「人間って無粋だわ!」と言われた気がした

目には見えないけど、存在を主張する野鳥たち
求め過ぎるカエルたちの愛の大合唱(ちょっとうるさい)

「わたくしは上品よ」と優雅にウグイスが鳴く

そして、金色に輝くコンクリート法面にいる者

それは、わたし
ただの生物

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まひろ@自然を写し取りたい
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