キャンプは趣味の集合体だと気づくと爆発的に面白くなる
久し振りに凄まじく忙しい週末だった。
懐かしさすら感じてしまう肉体的な疲労感は心地よいもの…
かつて頭脳労働しかしてこなかったため現在の仕事を選んだばかりの頃は完全に体力が追い付かず死ぬ死ぬ言いながら動き回った物だけど…労働の価値という物を
根底から変える充実感がそこにあった事を思い出す週末でもあった。
キャンプがあるから頑張れた日々
キャンプと同様の達成感がある事への気付きこれほどに疲れた週末に目指す営地は一択
『フォレストパークあだたら』である。
現地到着は14時過ぎくらいだっただろうか?
とにかく身体が疲れているわけで設営の早い幕wechsel tents ZAMBESIの出番となったのだが…異常な事態に気づく
日曜泊であるにもかかわらずここ数年メインサイトとなっている個別サイトCがまさかの満サイト
連休でもない普通の日曜泊にこんな事態は後にも先にも初めてなのだが…お陰で初となるEサイトへのチェックインとなり
何年も通ったあだたらが全く別のキャンプ場のようで新鮮さ全開のキャンプスタートだった。
日本有数と言える広大な林間の個別サイト群はそれぞれ高さと形が違う作りとなっている。
サイトによっては野性味もありプライベート感も十分でフリーサイトでは決して味わえない占有感が魅力。
前回天神浜キャンプの時の設営が相当気に入ってしまってこの日も同じスタイルを踏襲
サイトが縦長のサイトだったためテントを奥にタープを手前という配置にするとただでさえプライベート感のあるサイトで完全外界拒絶の引きこもりスタイルとなった。
満サイト状態でも誰とも目が合わないキャンプこれって昨今の過密状態のキャンプ事情からすると途轍もない贅沢な事、ほんの数年前までいつだって夫婦二人ぼっちだったのが懐かしい。
今夜のラインナップを並べ
森を透かしながら傾いて行く優しい太陽を眺めマッタリと過ごした。
「やっぱキャンプっていいよなぁ」
何年やってもどんなに疲れても虫に襲撃されたとしてもどうしても野(ここ)に帰ってきてしまう。
人は命を授かった時、初めは魚の顔をしていてその後、爬虫類のような顔となりやがて尻尾がなくなり人となる。
それはまるで人類進化の億年単位のプロセスを母の胎内で再現しているかのようでもある。
億年前まで野に暮らしていた先輩方も私も昔は動物であり魚だったと思えば野(ここ)に帰るのは必然そんな話で盛り上がるキャンプホリック夫婦
極上の夜が始まる前に温泉温泉!
それがキャンプ
温泉を終えるとすっかり暗くなっていた。サイトに戻るなりすぐさま灯りの準備を整える事に、とにかく急ぎランタンのプレヒートを
ここでようやく妻と乾杯をしあだたらEサイトの静かな夜が始まった。
スーパーで購入した馬刺をアテにすると
その美味さに共感したのか焚火までもがピース
サンマを焼き
いかに綺麗に食べれるかを競ってみる夫婦。
ここでお楽しみの登場だ。
ハマりかけているレッドビール。キャンプ仲間Mさんからご提供
ローデンバッハ クラシック
合わせるメイン料理は
極上すき焼き
軽めの赤ワインに匹敵する味わいながら実に爽やかで飲み口の良いエールに感服だった。
趣味に没頭、深掘りし過ぎるとその道ではエキスパートになれるが一分野だけのエキスパートになる事は少し勿体ないことのようにも思う。
例えばキャンプの中にはテント、タープ、火器、食事、コーヒー、酒、温泉、釣り、ドライブそして旅など様々なコンテンツがあって、それぞれがそれぞれに一分野となりうる趣味の集合体であるという部分に気付くと、そこから爆発的な面白みが出てくるから。
私の場合で言うと、焚火前で飲むスモーキーなスコッチが美味すぎてスコッチにハマり、劣化したレギュラーコーヒーを美味しく飲むためにコーヒー焙煎をするようになったら市販のコーヒーが飲めなくなったり…。
妻に至ってはお店(飲食業を営んでいます)の新メニューはキャンプで試作二人で食し合否を決める事がルーティンとなった。
それぞれがキャンプにおいて深掘りできる価値の集合体であり我が家が目指し実践するキャンプはそこにある。
キャンプにおいてそれぞれを深掘りして行くことは生きることを楽しくする手段に他ならないとつねづね思っている。
何せキャンプじゃなくとも、せっせと買物するだけで楽しいなんて人はごまんといるくらいであるし考えてみれば買物自体もそれ単体で趣味となりうるコンテンツなのだから。
何年か前のことキャンプは旅という目的の手段に過ぎないという言葉がSNSで目に止まった。
無論、そう考える人がいても良いと思う。
ただ、私達夫婦はキャンプを目的としてこれまで幾度となく素晴らしい旅をしてきたわけで対局にいる。
つまり旅が手段ということ。
色んな立場は有ると思うが固定概念に捕われてしまうとキャンプで生豆から焙煎し翌朝飲むコーヒーの美味しさをきっと生涯知らずに終わってしまうことになる。
無論、暖かいテントの中、就寝前に飲むラガヴーリン16年の美味さが格別だという事も。
キャンプを通して人生の本来の楽しさ豊かさを知ることになろうとは、思ってもいなかったけれど
「これだからキャンプがやめられない」
この一言を何度も言いたくなるそんな趣味
それがキャンプ
フォレストパークあだたらはいつもそれを最高の状態で叶えてくれる数少ないキャンプ場の一つ。(2021年以降猫連れとなりペット入場禁止のため現在は行けなくなりました)
翌朝は素晴らしい空が迎えてくれた。高規格キャンプ場でキャンプしたいわけではなく大好きなあだたらがたまたま高規格だったといつのまにか考えるようになっていた。
残りのすき焼きにうどんを入れ朝食とし手早く撤収をする。
これより海を観に行くために。
山の中なのに海って?
そう思うだろうけれど山の中にしかないあだたらならではの美しい海それはフリーサイト付近から見える雲海の事
いつも親切にしていただいているあだたらのスタッフSさんが教えてくれた。
雲海を見、良いキャンプだったとダメ推し陶酔の振り返りをしこの地を後にする
それがキャンプ
2024年6月加筆