初めての台湾旅行で、日本では見たことがないフルーツを食べた。
現地男性ガイドの呂さんが説明してくれた。
「はいっ!これ台湾の果物ね!〈レイシ〉です」
〈レイシ〉というらしいそのフルーツは、黒っぽい赤紫色をした大粒の葡萄のような形をしていて、皮の表面がワニ皮のようにブツブツとしている。
硬めの皮を剥くと、ツルンとしたベージュ色の実が出てくるのだが、葡萄と比べると果汁はそんなにはない。実には縦皺が入っていて食べるとシッカリとした食感がある。そして中には大きな黒い種が1個入っている。
甘くて、なにか〈杏仁豆腐〉のような風味があった。
台湾にはこんな果物があるんだと思いながら興味津々で食べた。
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あれから十数年後だろうか、日本でも〈レイシ〉を見掛けるようになった。けれども商品をアピールするポップには、〈レイシ〉ではなくて・・〈ライチ〉と書かれていた。