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N-052 女の略奪
石膏像サイズ: H.50×W.15×D.15cm(縮小像)
制作年代 : 1583年
収蔵美術館 : フィレンツェ・シニョーラ広場
作者 : ジャンボローニャ(Giambologna 1529-1608)
ミケランジェロ以降に主流となったマニエリスム(過去の巨匠達の手法を様式化して模倣した)を代表する彫刻家ジャンボローニャ(ジョバンニ・ダ・ボローニャ)の作品です。
「サビニ女の略奪」というタイトルで呼ばれますが、これは完成後に付加されたもので、ジャンボローニャ自身は単に一つの大理石の塊から、より複雑で360度からの鑑賞に堪えるような彫刻を作ろうとして制作したもののようです。
「サビニ女の略奪」は、ローマ建国時のエピソードです。建国当初のローマが男性比率が高かったため、サビニ人から女性の移民を募ったのですが不発に終わり、結局は略奪することになった・・というものです。この彫刻は人気が高く、ジャンボローニャ自身の工房で縮小ブロンズ像が制作され、ヨーロッパ各地のコレクターに広まってゆきました。
フィレンツェ・シニョーラ広場のロッジア ジャンボローニャ作 「サビニ女の略奪」 1583年 (写真はWikimedia commonsより)