ゲドゥルド

メーカ勤務技術者。息子をほぼ脳死で授かり、7年半の医療者との対立・膠着の末、治療差控えによる看取りという形の尊厳死を実現。医療的ケア児と尊厳死の知見を書き、認知度向上と同じ過ちの防止に努める。

ゲドゥルド

メーカ勤務技術者。息子をほぼ脳死で授かり、7年半の医療者との対立・膠着の末、治療差控えによる看取りという形の尊厳死を実現。医療的ケア児と尊厳死の知見を書き、認知度向上と同じ過ちの防止に努める。

最近の記事

医者(いしゃ)は医者(せんせい)に非ず

「どちらも選べる事が在るべき姿なんだ!尊厳死も、延命と同様に!」 穏やかな私でも、その時は百雷落ちるよう感情を込めて反論した。 あなたが産まれて10年。でも、ほぼ脳死での誕生だった。 病名は、低酸素性虚血性脳症。 ・寝たきりで床ずれ発症、関節も頭も変形してしまう。 ・痰がつまってもセンサで苦しくなるまで伝えられない。つまると鼻から管を通されて吸い出される、一日に何回も。だから、管で鼻腔内が傷ついて鼻血が出る。 ・目蓋を閉じられず、細菌が入って目が腫れ上がってしまう。 ・排

    • ほぼ脳死の子への尊厳死は国内でも可能(下)

      尊厳死を実現して今思うこと残された者の苦しさ  かくして、尊厳死は実現できた。我が子はもう苦しまなくて済む。しかし、残った家族のその後は、決して楽ではない。なぜなら、尊厳死実現という総力戦を7年半続けたので、30代という働き盛りの職歴を焼失して戦後の焼け野原に立っている。我が子誕生時に上司から「君は大きなハンデを背負った」と言われたし、その後も同期入社員と比較して昇進速度はもう2周回遅れだ。戦時下にあれだけ公私とも頑張ったのに…、「のに病」になる。その後授かった二人目の子が

      • ほぼ脳死の子への尊厳死は国内でも可能(中)

        治療差控えによる看取りの実現方法尊厳死の対象か否か  延命か尊厳死か迷う子供を持った場合、「重篤な疾患を持つ子供の医療をめぐる話し合いのガイドライン」に沿って議論となる。なのに、このガイドラインに沿わない、患者家族に提示しない医療者がいる。その場合は、患者家族から提示しよう。提示しても無視する医療者もいるが、結局は当ガイドラインに戻って来る。その中の基本方針にもある通り、子供の終末期や治療差控えの基準など様々なことが、意図的に具体的に書いていない。子供の置かれた状況や症状は

        • ほぼ脳死の子への尊厳死は国内でも可能(上)

          同格で共存関係にある延命と尊厳死医療的ケア児という静かに増加中の存在  医療的ケア児という存在をご存じだろうか?日常生活を送る上で喀痰吸引や経管栄養などの医療的ケアを必要とする子供の事だ。そんな子供たちが近年増え続けている。図1(https://www.jmedj.co.jp/journal/paper/detail.php?id=11369) の通り、その国内総数は10年で約2倍に増え、在宅で過ごす患者は10年で10倍以上に増えている。割合は人口1万人当たり1.44人。