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あなたの英語コミュニケーションを引き上げる、小さな工夫

こんにちは、GCRMパートナーズの岸本です。

英語で会議をすると、後になって『もっとこう言えばよかった』とか、『もっとああすればよかった』とか悔やむことが往々にしてあります。今日は、そのようなシーンを少しでも減らし、うまくコミュニケーションがとれるようになるヒントをお話ししたいと思います。

日本で教育を受けて成長してきた私たちにとって、英語はどこまで行っても「外国語」です。しかし、英語会議の場では、その「外国語」である英語を使用し、外国の人々とコミュニケーションを図る必要があります。

「何とかなるさ・・・」は、何とかならない

英語のコミュニケーションにおいて、多くの日本人が経験すると思われる場面を4つ想定してみました。

①  会議の議論にうまく参加できなかった
② 意見を言おうとしているうちに、タイミングを逸し、議論が別の方向に行ってしまった
③ プレゼンテーション資料を入念に作ったけれど、趣旨がよく伝わっていないようだ
④ 1対1の会議で、相手にこちらの意図を十分理解してもらえなかった

こういった場面に遭遇しそうで、どうにかしたいと思った時、最初は「どうしよう…」とあせりますが、時間がたつにつれて「何とかなるさ…」と思い始めてしまうことが時としておこります。しかし、「何とかなるさ…」は、何とかなりません。

工夫次第でコミュニケーションのレベルを改善できる

ただし、工夫次第でコミュニケーションのレベルは改善できます。4つの例を一つひとつ考えてみましょう。

① 会議の議論にうまく参加できなかった

話が自分をすり抜けて、どんどん進んでいく状況です。私たち、大半の日本人にとって、英語の会議では、その場で考えてもまずアイデアは出てきません。アメリカに赴任していた友人が「英語で考えると、思考力が 1/10 になる」と言っていましたが、然もありなんという感じです。そもそも、私たちにはハンディがあるのです。

外国人の参加する会議では、会議の効率が重視されるため、事前に議題が共有されることが多くあります。それを利用して、会議の議題・テーマを理解し、前もって自分の意見を英語でまとめておくことで、積極的に会議に参加できます。

今は、Zoom などオンラインミーティングが主流なので、言いたいことをパワーポイントにまとめて、それを見せながら話すことも有効です。

② 意見を言おうとしているうちに、タイミングを逸し、議論が別の方向に行ってしまった

議論でよくあるパターンです。研修でのグループディスカッションでも同じです。私たちは傾聴、じっくり聞くことが美徳と教わってきました。一呼吸置いて話そうとすると、誰かが喋り始めている状況です。

そうならないためには、勇気をもって、最初の発言者になることです。発言は後になればなるほど、残っているネタが少なくなり、質も問われて難しくなります。幸い欧米人の会議でも、最初の発言までちょっとみんなが黙る時間がよくあります。ここを狙う手です。

議論のテーマや材料が事前に分かっていれば、下調べをして話す内容を準備しておくと楽になります。

③ プレゼンテーション資料を入念に作ったけれど、趣旨がよく伝わっていないようだ

凝ったパワーポイントより、話して説明することに重点をおいて準備することが大切です。

私はヨーロッパ人事責任者会議で、新しい人事施策を説明した折に、ドイツの人事担当から「Mr. Kishimoto, what is your concept?」と尋ねられた経験があります。施策は細部にまでこだわったものでしたが、その質問にちょっとたじろぎました。

プレゼンテーションでは細かいことよりも、自分の考えを具体的に述べて、他の考え方との違いを際立たせることがポイントです。

まず結論を言い切る。そして、自分の考えをバックアップする、説得力のあるデータを選りすぐって見せる。

何にも増して何度も声に出して練習することが、うまくいく鍵になります。

④ 1対1の会議で、相手にこちらの意図を十分理解してもらえなかった

話の内容を絞り込んで、ロジカルな説明が大切です。

海外の人との会議は、こちらが説明したら、「はい、分かりました」とはいきません。必ず質問がきます。その場ですらすらと答えられないことを前提に、想定問答を英語で用意しておくことは有効です。

事前準備と工夫で乗り越える

こうしてみると、事前準備と、自分の言いたいことを何度も練習しておくことが大切なことが分かります。

そして英語力向上を本筋にしながらも、いろいろな工夫で、英語コミュニケーションのレベルを引き上げることが可能です。