成長の難しさ、Z世代からの学び
アメリカ大統領選における2項対立を見て書いた以前のnoteで
大統領選も、組織で起きることも、個人の中の葛藤も
全ては2項対立。同じ構図だとするならば
「がむしゃらに命を燃やして生きる!」男性的
「流れのままに、今ココを生きる!」女性的
どちらで生きようか?こちらの生き方が正しい。
と考えることが、古い考え方なのだと思うのです。
とまとめました。
しかし、それをいかに乗り越えるのかが、とても難しい。
その、難しさの根源と向かうべき方向についてZ世代の特徴に学び、考えてみました。
強いメッセージが好き。決めつけが安心する。
今、世の中で影響力のあるインフルエンサーはどんな人でしょうか?
ホリエモン、キングコングの西野さん、テレビやインターネットで皆さんが繰り返し意見を聞く影響力のある人はどんな人でしょうか?
ある程度意見が断定的で、強いメッセージを送る人ではないでしょうか?
人は断定的に正しい道を示される事が好きなんだと思います。
私たち自身が安定して人生を歩んでいる時はどんな時でしょう?
今自分が選んでいる選択に断定的に確信を持っている時ではないでしょうか?
絶対的に正しいなんてことはほとんど存在しないこの世の中です。
断定的で強い方向性を訴えるインフルエンサーが存在価値を高めているのは、断定的で強い方向性を求める私たちの心そのものなんだと思います。
ワイドショーに出てくる50歳以上の人気コメンテーター
Z世代とは1996年~2012年に生まれた16歳から24歳
ミレニアルの世代とは25歳から34歳
ミレニアルはデジタル時代のパイオニアで、Z世代は完全なるテックネイティブ。生まれながらにしてスマホやSNSによって情報収集と意思決定をしているという世代です。
逆説的に極論を言うと35歳以上の我々は「テレビ」によって情報収集し意思決定をしている世代と言えると思います。
前節で書いたように、インフルエンサーの特徴は私たちの心の映し鏡だと思います。
テレビで人気のコメンテーターは、35歳以上の世代が求める姿そのものだと思うのです。
朝の情報番組や、昼のワイドショーなど、そこで人気を博している司会者やコメンテーターは総じて、50歳以上の断定的で感情的な物言いを使う人が多いように思います。
そして、35歳以上のコミュニティでは、そのようなキャラクターが是とされ、一定の憧れの様な感覚が持たれているような気もします。
あいまいであったり、どっちつかずである事は好まれないように思います。
コロナの分断とアメリカの分断
コロナにおいて、社会が分断しているように思います。
・人の命は何よりも重い。医療の逼迫を守り命を守るため自粛せよ
・コロナは風邪の延長、経済を止めた自殺の増加の方が課題
どちらも正解といえそうな2つの視点で国内が分断しているように思います。
分断のもとを辿ってみると、必ず「強く断定的な」メッセージを送っているインフルエンサーと、その様に振る舞う地域のインフルエンサーがいるように思います。
そして、多くの人がそのどちらかの立場に確信的に立場をとることで安心し、結果対立の構造を作っているように思えるのです。
アメリカの大統領選の構造も全く同じです。
社会の分断、対立の構図は、私たち自身の心の中に「強く断定的」な意見を求める特性からきている為に根が深いと私は感じています。
「がむしゃらに命を燃やして生きる!」男性的
「流れのままに、今ココを生きる!」女性的
という自分のスタンスにさえ、どちらかに分かりやすい「強く断定的」なものを求める意識が働いてしまうのが私たちの特徴だと思うのです。
Z世代の特徴と考察
「Z世代」について最近よく聞くので、(特にアメリカにおいて今後の消費の中心的ポジションという意味で注目されているらしい)
調べてみました。
Z世代を表わす言葉として
「流動的なアイデンティティを持つグローバル市民」
「既存のルールに囚われない人々」
「テックネイティブ」
もっと端的に表現すると
「インクルージョンと個性の同居」
だと書いてありました。
正直、僕個人としてその世代について直接的にそのような感覚を持った経験はほとんどありません。しかし
アメリカを中心としたリサーチによって、そのような報告が上がっているという事はテックネイティブの彼らの特性の方向はそのように向かうのでしょう。
「インクルージョンと個性の同居」
自分は自分らしく個性を発揮し、全ての人を包み込む包含を併せ持つ。
これが、16歳から24歳の世代の一番の特徴だというのです。
なぜ、そんな事になっているのでしょうか?
私たちの世代が学ぶこと
Z世代の情報収集の中心はSNS、ユーチューブ、ネットフリックスなど多様です。テレビを見ることはほとんどありません。
また、友人とのコミュニケーションもほとんどがネットの上で行われます。
そもそも「友人」はリアルで出会う人よりも幅広いネットの世界で見つけるそうです。
リアルな世界と国内のテレビや雑誌など画一化された情報収集方法しかなかった35歳以上の世代とは全く違います。
我々の世代はリアルにおい「ある程度似たコミュニティ」を大切にしてきました。
結果として情報は同質化し、自分の思考パターンは固定化されてきたと思います。
そして、同質化、固定化によって違うコミュニティの視点は受け入れない力が働いていたのではないでしょうか?(右翼や宗教やネットワークビジネスには一定の人間がいることが分かっても、その立場を理解しに行く事はほとんどない)
それは、リアルで動かざるを得ないハードルの高さがあったのではないかと思うのです。
しかし、Z世代はあらゆる情報をインターネット上で自由に行き来します。
さらに、その事について深い議論をインターネット上で重ねることに抵抗がありません。
結果として
「インクルージョンと個性の同居」
という世代の特性ができたのではないか?という仮説を持ちました。
つまり、35歳以上の世代がこの価値観を身に着ける為にZ世代に学ぶとするならば
立場の違うコミュニティの人と、立場が違う事を様々な立場の人と深く対話する事。
なのだろうと思います。
で述べた「気付くことのできていない自分」
で述べた「成長の船首」を見つける事
そのいずれにも通じるのが
立場の違うコミュニティの人と、立場が違う事を様々な立場の人と深く対話する事。
つまり
「越境のコミュニケーション」に集約していると思うのです。