社会への信頼はお金を超越する。アイスランドに学ぶ幸福観 #シアワセを紐解く
「幸福とは何か?」シンプルですが、本企画のテーマです。「幸せになるための○○」といったHOWの情報は流通していますが、幸福の概念や定義などのWHATやWHYについてはバラバラではないでしょうか。
そもそも幸福とはいったい何を指すのか?をこの企画シリーズでは考えていきたいと思います。
こんにちは。gC編集部の佐藤です。
gCストーリーは「社員の幸福」を重要視している社風が特徴的です。
他社の方にこのことを話すと凄く驚かれますが、改めて「そもそも幸福ってなんだろう?」と考える機会が増えました。
今回は「幸福度が高い北欧」から幸せについて考えてみたいと思います。
「幸せ」と一緒に検索されているキーワード
幸せについて考える際「幸せ×○○」で何が調べられているのか気になりました。ツールを用いて検索ワードをテキストマイニングした結果がこちらになります。
個人的に着目したのが「年収」です。ライフステージの変化により同世代で「お金」や「年収」に関する話題が増えました。仕事、保険、投資など生きていく上で当然お金は必要ですが、必ずしも経済大国の幸福度が高いわけではないようです。
1位:フィンランド
2位:ノルウェー
3位:デンマーク
4位:アイスランド
5位:スイス
引用元:http://worldhappiness.report/ed/2018/
世界幸福度ランキング2018によると上位国は北欧諸国が大勢を占めます(日本は54位)。
その中で着目したのがアイスランドです。
アイスランドは2008年に経済危機が起きており、アメリカのサブプライムローンをきっかけに、国内の金融バブルが崩壊しました。同様にギリシャも経済危機が起きていますが、興味深いのは「幸福度調査ランキング」における結果の違いです。
経済危機と連動するように、幸福度が下がったギリシャに対して同じ出来事があったはずのアイスランドの方が下がり幅が少なかったのです。
お金と幸福の関係を考えるにあたって何かヒントがあるかと思い、アイスランドの国や生活環境について調べました。
幸福な小国アイスランドの暮らし
国名:アイスランド共和国
面積:10万3000K㎡
人口:約34万人
面積は北海道の1,3倍で、人口は埼玉県の川越市と同じぐらい。アイスランドは、決して大きな国ではありません。北極圏に近いヨーロッパ大陸の北西に位置しているため、自然環境は厳しいようです。
そのため、アイスランドに暮らす人達はお互いに協力して暮らす文化が育ったとも言えます。
真夜中でも太陽が沈まない「白夜」
アイスランドは極北に位置するため、夏は「白夜」が見られます。
白夜とは真夜中でも太陽が沈まない状況の事を指し示し、この自然環境が子どもの夏休みに影響します。夏休みは6月頭から8月末まで長い期間設けられ、その間に子どもたちは、家族や隣人の牧畜の手伝いをします。
夏休みによる共同作業を通して、子どものころから他者を尊重する姿勢を学びます。
男女平等と社会福祉の充実
1980年にアイスランドは世界で初めて女性の大統領が当選。女性の社会進出ランキング1位にも選ばれた事があります。また、アイスランドは北欧諸国と同様に高い税金により、優れた福祉が提供されています。
福祉施策における全体の方向性としては、「一定の生活水準をキープ」出来る部分が多く、生活困窮者へのサポートが手厚くなっているようです。
アイスランドは7年連続でイギリスのエコノミストが発表する平和度ランキングで1位に選ばれており、「安心した暮らし」が実現されでいるのではないでしょうか。
お金と幸福の関係性について
人間が生活を維持する上で「お金」の観点は当然ながら必要です。
しかし、一定水準の生活ラインを維持出来るとしたら「必要以上のお金」は本当に必要でしょうか?
アイスランドの生活を見る限り、所得が人生の最優先事項ではないようです。
あくまで書籍やwebでの調査のみですが、アイスランドでは「お金よりも共同体としての繋がり」を重要視しているように見受けられました。
安心した「暮らし」は何によってもたらされるのか?
「誰かに頼れる」「安心感を感じられる」「何があっても大丈夫」つまりは、社会に対する信頼が個人の幸福に寄与する部分が大きいのではないでしょうか。
文・構成・編集/佐藤政也 デザイン/蓮池しのぶ