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ガヤ王ヒロム3世
2020年11月1日 14:58
この詩集は1993年6月に発行されたものであるから、今から27年前の作品集ということになる。金井氏が若い頃の作品だ。最近の作品より、ずっと尖っている。そして、何か、作品の深いところに不協和音が流れていることが読み取れる。その正体が何なのか、少し考えてみた。そして気がついたのは、女性の描写が不協和音の原因だということだ。金井氏の若い頃の「憧れの女性」と思われる人物が登場する。その描写
2020年10月26日 15:51
金井雄二氏は図書館に勤務しながら詩を書き続け、丸山薫賞等を受賞された方だ。仕事でも生活でも苦労されたことが多いことが、作品からはうかがえるが、それでも詩を書くことをやめなかった。いわゆる大言壮語するような詩は書かない。難解な、哲学的な詩でもない。ただ、自分の体験した過去を、考え抜かれた言葉で書き綴っている。「ゆっくりとわたし」は、金井氏の大分若いころ、少年時代を題材としている。苦しか
2020年10月26日 10:47
夜。冷え切った空気。雨が降っている。傘を持つ手に雨粒が当たって痛い。早く帰って。早く帰って暖かい甘酒か、お茶を飲もう。雨粒の一つが、風船みたいに膨張した。雨粒の凸レンズ。無数の微生物がいる。ゾウリムシ、ワムシ、ツリガネムシ、アメーバ。みんな、必死で動いている。雨粒は、中にいるものの意思とは無関係に、地上へと落下する。ちょうど地球が、人間の意思とは無関係に