なぜ日本でブレイクスルーが起きにくいと嘆かれるのか、AIとの対話と持論〜●●●の中でやろうとしたらそりゃそうだ〜
AIに聞いてみました:日本は他国と比較してイノベーションが起きにくいと言われます。その前提で、有力な理由・要因を5つ挙げてください
得られた回答は以下の5項目でした。どれもごもっとも…なのでしょうか。筆者のキャリアパス(メディア・公務員・サービス業)を通じての知見や思考を共有し、最後に持論をお示ししたいと思います。
AIは以上5つの理由・要因で日本でのイノベーションの生じにくさを説明しましたが、果たしてその通りでしょうか。いくらか反論の余地があると思い、その部分を提起してみます。
失敗を恐れる文化 なのだろうか
AIの説明には大枠で賛同できるものの、一律にそういう文化なのかと言うと少し違うように感じます。イノベーションやブレイクスルーを阻害する「失敗」とは、「定義されていない失敗」ではないかと考えます。どうなれば成功、どうなれば失敗という定義付けと共有が明確でないものには恐れが生じ、結果的に進めることが怖くなってしまうのではないでしょうか。
企業文化の硬直化 なのだろうか
各企業単位で見たミクロな視点でもそうかもしれないですが、業界横並び・護送船団という言葉があるように、個が硬直しているというよりも、両隣・同業他社がブレイクスルーしていないからという理由付けで前に進まないというケースが多いのではないでしょうか。現象としては硬直化ということは言えますが、自らが硬直化しているというより周囲が進んでいないとの言い訳がそうしている傾向が見られるのではないかと思います。
オープンイノベーションの障壁 なのだろうか
上記「企業文化の硬直化」を打破するわかりやすい方法は「他と組むこと」、つまりはオープンイノベーションであろうと思います。そこでの障壁が進まないとそりゃブレイクスルーは遠いだろうとなりますが、これに関しては経験の多い企業は一層前進し、経験に乏しい企業は置いていかれる、という二極化が進んでいるように思われます。
研究開発の効率性の低下、スタートアップの育成・支援の不足 はどうか
研究開発の定義を「今までなかったものを生み出す」ということにすれば、常に最短での成功を夢見て活動している前提では効率性を論じることは難しいと考えられます。
また、スタートアップ支援についても金額・市場が他国に比べて小さいというデータも示されますが、支援する価値のあるシーズが他国と同じかそれ以上あるかについてはあまり論じられていない印象があり、このこと自体がブレイクスルーやイノベーションを阻害しているかというと言い切れないのではないかと思います。
AIが挙げないブレイクスルーの阻害要因
自分の経験から、国内でブレイクスルーが起きにくく変化のスピードが遅いと感じられる要因は、日本人の美徳のように言われている「ルールを守る」というところにあるのではないかと思います。例えば、
・解釈改憲
・ふるさと納税
・各種実証実験
これらの共通点は、ルール自体は変えずその周囲で意味や価値を付与することでさも新しいかのように見せることができている事例です。「スモールスタート」という言葉もこの範疇で捉えることが可能です。
すべてがそうではないものの、往々にしてブレイクスルーはルールを逸脱するところに生じやすいように思われます。現状を否定せず決まりや制約の中でイノベーションを起こすからハレーションは起きにくいというメリットはあれど、大きな改良や進化には結びつかないということで、変化のスピードが相対的に遅いように見えてしまうのではないでしょうか。この場合、まさしく美徳を守ることや器用さがアダになっているのかもしれません。
こうした傾向を理解しながら、大きなイノベーションの終着点を見据えて今何をすべきか考えることが、ブレイクスルーの阻害や遅滞化につながらない「反論」になるのではないでしょうか。
あなたはどう思いますか。
またいつか、AIとの対話をお伝えしたいと思います。