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『 明日なき暴走 』歌野晶午 読書記録(短文1分弱)

≪編集の怖さ、SNSの煽り、心の闇等にスポットを当てた、現代サスペンスホラー≫

【 内容 】じつはディレクター長谷見のヤラセだったTV人気企画「明日なき暴走」内の若者たちの無軌道な行動。
それを知らぬ若いネクラ美容師が若者たちと交錯し殺人鬼に変貌、凶行を重ねる。
長谷見は視聴率アップを狙い暴走の末、職務停止に。だが彼は警察の裏をかき殺人鬼にコンタクト、なお映像に収めたい……。
大どんでん返しに読者は戦慄し言葉を失う!
広告文より

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【 感想 】歌野晶午さんの作品、
『葉桜の季節に君を想うと言うこと』
以来、二冊目を読了。

前回、葉桜の……はホント、驚きの結末というか、登場人物にビックリでしたが、今回も予期せぬ展開、文章の構成が巧みで、時系列も矛盾無く?完結しています。

第一章、登場人物の若者達が、皆、性格悪い。ちょっと前半、読んでてドン引きでしたが、これはきっとフラグ立ててるよなって察しました。

第二章『あるいは孤独な青年が都会の狩人に変わったからなのか』

川島輪生、通称リンネの最悪な現在の生活、ふとした事故により、堕ちていく姿は可哀想だなと思っていたけど、やっぱりこの人物も性格ひねくれていて更に心ドン引き。

その後、TV下請け製作会社、長谷見により、物語の中心人物が登場。
第一章の若者達の行動にも納得です。

高視聴率を狙い、出世を願う、これまた自己都合主義、ウケれば何でも良し的な思想は一番最悪に感じました。

まさに今、Twitter、Instagram、YouTube、絶対王者だったTV報道機関、SNSとマスメディアの現代の関係性等にも触れていて、よく調べられているなと関心しました。

被害者、加害者、感情移入よりも、
編集の怖さ、SNSの煽り、心の闇等が浮き彫りになった所にスポットを当てた、
現代サスペンスホラー。

「これ結末どうなっちゃうの?」
又々、予測の出来ない驚きのラスト、流石は本格ミステリ大賞受賞作家さんです。

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