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【甘美なる誘拐】平居紀一 読書記録(短文1分弱)

≪真二と悠人、荒木田の三人がメインの続編がでれば、きっと読者は喜ぶと思います≫

【 あらすじ 】
第19回『このミステリーがすごい!』大賞・文庫グランプリ受賞作! 
ヤクザの下っ端二人組、真二と悠人。
人使いの荒い上司にこき使われる彼らの冴えない日常は、ある日、他殺体を発見したことで変わり始める。
同じ頃、下町で自動車部品店を経営する植草父娘は、地上げ屋による嫌がらせで廃業に追い込まれかけていた。
抵抗するため、父娘はある人物を頼るが……。

一方、宗教団体・ニルヴァーナでは、教祖の孫娘が誘拐される事件が起きていた。
様々な人物や事件が、衝撃のラストに帰結する、誘拐ミステリーの新機軸!

広告文より


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【 感想 】
第19回このミステリーがすごい!大賞は『元彼の遺言状』

『甘美なる誘拐』平居紀一さんもこの作品で準大賞として、文庫グランプリを受賞されたそうです。

新人作家の登竜門、「このミス大賞」こちらも好評価との触れ込みに興味を持って読了。

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先ず、登場する二人はやくざの下っぱ組員でバディを組む真二と悠人。

真二は中性的な容姿がコンプレックスだが、喧嘩も強いし頭脳も働く主人公的存在。

相方の真二は関西出身の静かにしていられないタイプのお調子者であり、飄々とした性格で、この小説の中ではキャラ濃く一番魅力的な人物。

※ボクは東京出身、関西訛りがよく分からないので、関西出身だとこの人物の印象がちょっと変わるかも。

上司のインテリヤクザ、荒木田は二人をいいようにこき使う。

現代的経済ヤクザで仕事上手、頭の回転も早く、誘拐事件を画策する黒幕でもある。ヤクザはプライド高くてメンツを気にするのでこの男を敵に回せば命の保証はない。

一方では都心の外れの小さな自動車部品店の社長、植草と娘の菜々美が地上げトラブルでヤクザに嫌がらせを受けて困っている。

そんな二つの話が交互にテンポよく続いていく。この二つの接点がよく分からないまま、

今度は神奈川の田舎町にある、他勢力ヤクザと繋がりのある「宗教団体ニルヴァーナ」の教祖の孫娘、中学生の春香を誘拐する計画が始まり、後半は誘拐メインへと続いていく。

登場人物が他にもいますけど、真二と悠人がほぼメイン、他の登場人物は荒木田以外、ちょっと影が薄いかもしれません。若い女性キャラがちょっと全体的に弱かったのが残念。

様々な事件が最後はうまく繋がるので、読み終えた後は特に疑問はなかったですね。

前半は読み応えがあったのですが、正直、中程からの宗教団体のキャラの弱さや、生い立ち説明がちょっとつまらなかったのが、残念でしたけど、

後半の誘拐劇は中々の読み応えで面白かったです。身代金の受け取り方法が今時で、荒木田の頭の良さが冴えてました。

真二と悠人、荒木田の三人がメインの続編がでれば、きっとこの本の読者は喜ぶと思います。

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⬇️宝島社 『甘美なる誘拐』ホームページ

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