インド旅 ① 【マザーハウスでボランティア】
コルカタに到着したのは深夜。
私より先に到着し、空港内で待っているはずのヨハネスがいません。
※ ヨハネスと出会ったニュージーランド旅の記事はこちら
当時SIMフリーの携帯ではなく、空港にWi-Fiも無かったため、どうやって連絡を取ろうか途方に暮れていたところ、通りすがりの人が心配して声をかけてくれました。
でも、初めてのインドで深夜に1人ということもあり、警戒心から反射的に「No」と言ってしまい、後々反省。
結局、ヨハネスは空港の外にいました。
一度空港の外に出た後、セキュリティの関係で中に戻れず、タクシーの呼び込みと一緒にずっと外で待っていたようです(泣)
そんなこんなで、インド旅スタート!
マザーハウスとは
私たちがコルカタに降り立ったのは、ほかでもなく、マザー・テレサが設立した「マザーハウス」でボランティアをするため。
マザー・テレサは、コルカタから「無償の愛でスラム街の人々に救いの手を差し伸べる活動」を始めました。
彼女の奉仕の精神は、現在もシスターやボランティアによって引き継がれています。
なぜマザーハウスへ?
私がマザーハウスでボランティアをしようと思った理由は、2つあります。
1、自分が人のためにできることは何かを確かめるため
私は、昔から感情移入をしやすく、苦しんでいる人を助けたいのに、自分まで辛くなって目を背けてしまいます。
そんな自分を変えたくて、あえて助けを必要とする人がいる場所に身を置こうと思いました。
2、ボランティアとして働くということはどんなことかを確かめるため
当時すでに、数か月後から青年海外協力隊として中米グアテマラに派遣されることが決まっていました。
それなのに、依然としてボランティアは「偽善」ではないかという、モヤモヤした思いがあり、奉仕するということはどういうことなのか、マザーハウスにヒントを求めていました。
いざ登録!
マザーハウスでは週に2回、ボランティアの登録をおこなっています。
ボランティアはシスターと軽く面談し、自身の滞在スケジュールと希望の奉仕場所を伝えます。
通常、ボランティアは同じ施設で数週間続けて働くそうですが、色々な施設で働きたい意向を伝えると、滞在中 3つの施設で働かせてもらえることになりました。
どんなところ?
施設内の様子は、写真撮影が禁止されているのでお見せすることができませんが、どの施設もシスターによって清潔に管理されていました。
責任の重い仕事はシスターが行い、ボランティアはシスターに指示を仰ぎながら活動します。
シスターとボランティアの役割分担が効率よく行われていました。
入居者の世代が異なるため雰囲気は違いますが、どの施設にも穏やかな空気が流れていました。
プレムナンにいく途中の景色。
ボランティア仲間と。
この日はトゥクトゥクで移動。
40度以上の猛暑が続き、ドミトリーの冷房との寒暖差でヨハネスが体調を崩したため、サンタナ(日本人宿)に移動。
日本人宿の快適さに気づき、この後訪れるバラナシとデリーも、ヨハネスを連れてサンタナにお世話になりました。写真は、見よう見まねの日本語で注文を記入するヨハネス。
ダヤダンの近くに綺麗な花が咲いていました。
汗だくで働いた一日の終わりにビール。アルコール5%以下、または5%~8%の二種類。なんともアバウトな表記。
ボランティアをしてみて
私がここに来た理由は、以下の二点でした。
まず、マザーハウスでのボランティアを通して私が感じたことは、「人を助ける」という考え方は、ちょっと傲慢かもしれないということです。
私は、マザーハウスで奉仕活動をしているとき、心が満たされるような気持ちになりました。
それは、マザーハウスにいる人たちの間で、必要とし必要とされる相互関係が成り立っているからだと思います。
現代社会における「組織の一部として働き、少人数家庭で暮らす生活」には、「自分が本当に必要とされ、感謝されている」と実感できる機会がなかなかありません。
しかし、マザーハウスでは、入居者を補助することで「自分が必要とされる喜び」を感じることができます。
ボランティアの中には、「かわいそうな人たちを助けたい」と意気込んで活動している人も多くいましたが、
「入居者に求められることで、自分たちも救われていること」を忘れてはいけないなと思いました。
一方、「私に声をかけられなければ、マザーハウスに来ることはなかっただろう」と言う、もともとボランティアにさほど興味が無かった旅の仲間ヨハネスの反応は、とても素直なものでした。
男女の施設が分かれている「ニヒマルヒルダイ(死を待つ人の家)」での活動後に待ち合わせると、「アソコの片方がこんなに大きい人がいてさ..」とショックを隠せないヨハネスがいました。
このように、私たちが生まれた国でのうのうと暮らしていたら一生見なかったであろう光景に出くわすことが多々ありました。
私は活動中、見ているだけで痛そうで、入居者から思わず目を背けてしまうことがありました。
医療従事者の方々が聞いたら笑われそうですが、苦しんでいる人に感情移入してしまい、自分まで辛くなってしまう癖は、マザーハウスでのボランティアを通しても治りませんでした。
最近よく耳にするようになった、HSP(Highly Sensitive Person: とても敏感な人)という言葉があります。
色々試しても改善されなかった、自分の「心の弱さ」だと思っていたものは、HSPと呼ばれる生まれつきのものなのかなと、今では受け入れられるようになりました。
まとめ
マザーハウスでのボランティア経験から得られた気づきは、以下の2点です。
この気づきは、このあと中米グアテマラで青年海外協力隊として活動する際にも生きています。
青年海外協力隊に関しては、また追々記事にしていきます。
最後に、マザー・テレサの名言から、私のお気に入りを 2つご紹介します。
見返りを求めず、善い行いを信念をもって続けよというメッセージ。
他人と比較して、自分はちっぽけで大したことはできないと思っても、実は、身近にいる家族を大切にすることから平和は生まれるというメッセージ。
なるほど、マザーの言葉、心に響きます。
✳︎ 次回、インド旅 ②【アシュラムで修行】はこちらからどうぞ!