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かれんに学べ、VUCA時代のリーダーシップ
わーーー!びっくり!
— Little Glee Monster/リトグリ公式 (@LittleGleeMonst) July 9, 2014
沢山のお声ありがと〜
リトグリのリーダーとして
(リトグリのレベルってこんなもん??)
って思われたく無かったので
手が震えたけど頑張りました。。
これからもリトグリを
宜しくお願いします♪
かれん🎹🎶 pic.twitter.com/ghwxshsV8v
”リトグリのリーダー”
今聞くと、非常に違和感がある言葉です。
でも冷静に考えると、ここに違和感を感じること自体が奇跡です。
仕事や学校で、「『リーダー』と『リーダーシップ』 とは?」という質問をされたことはないでしょうか。
答えは簡単です。
メジャーデビュー前、かれんについていた肩書きが「リーダー」であり
それから8年後、Journey幕張で、そして10年後、10th Anniversary Liveで見せたかれんの涙が「リーダーシップ」の証だと思います。
自らの予測困難で不確実な時代(VUCA)を最高の形で乗り越えたリトグリ、その中で常に前を向いてグループを引っ張ったかれん。
今回のnoteではかれんから学ぶ「VUCA時代のリーダーシップとは」について語ります。
リトグリにはリーダーがいない
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メジャーデビュー以来、リトグリにはリーダーがいません。でもメジャーデビュー以前はかれんがリーダーでした、というのはみなさんご存知の通りかと思います。
今でも「リトグリ リーダー」と検索すると、かれんの出身である「LITTLE STEP FACTORY」のページの引用で以下のようにトップに表示されますが、これは間違いですね。

しかし、それ以外の情報は特に見当たりません。なぜ「リーダー」は置かない方針になったのかが書かれているような記事や動画は見当たりませんでした。
少し古いですが、YAHOO!知恵袋でこんな質問をしている人がいました。
「リーダーはいない」が共通見解ではあると同時に
強いて言うのなら「リーダー的存在」ということでは芹奈だと思います。
テレビでコメントをすることが多いのは右から2番目のmanaka ですね。 ライブMCがうまいのは左から2番目のMAYUです^ ^
などのコメントがあります。
第2章リトグリに関してはこういった話題すら見つけられませんでした。
また、他のアーティストグループについてもどんなグループでリーダーを置いている/置いていないんだろうか、と気になりました。参考に調べた限り載せてみます。
(なるべく、ジャンル偏りなく出してみたつもりです・・・)
リーダーを置いているグループ
(アーティスト名:リーダー の表記)
ゴスペラーズ:村上てつや
Pentatonix:Scott Richard Hoying
Rabbit Cat:とおるす
Exile:HIRO→???(わかりませんでした)
King Gnu:常田大希
Mr.Children:鈴木 英哉
嵐:大野 智
BTS:RM
TWICE:JIHYO
LE SSERAFIM.:KIM CHAEWON
ME:I:笠原桃奈
リーダーを置いていないグループ
Mrs. GREEN APPLE(2014年〜高野さん→2019年〜若井さん→2022年リーダー廃止)
緑黄色社会
FRUITS ZIPPER
Official髭男dism
リーダーがいる、いないによってグループの成功、成功しないが分かれるということはないようです。ただ、一方で、「リーダーがいないグループ」は調べた限りでは少数派だと感じました。「”あえて”リーダーを置かない」というこだわりがあるように感じます。
普通は明確に「リーダー」がいた方が運営がしやすいのかな、と思います。
「リーダー」と「リーダーシップ」
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そもそもですが、「リーダー」と「リーダーシップ」は一般的に区別して使われる言葉です。
以下のサイトが説明してくれているような違いです。
リーダーとは、目標や方向性に向かう道筋を示し、組織を一体化させて統率する任務を遂行する「役割」のことです。
リーダーシップは「目標を達成するための手段や統率力」のことを差します。つまり、役割そのものを指すリーダーと、リーダーシップは全くの別物なのです。
さらに「リーダーシップ」の意味をわかりやすくするために「マネジメント」と言う言葉との違いも大切だと思います。
リーダーシップは、目標やビジョンを達成するために、メンバー一人ひとりの自発的な行動を促し、組織を正しい方向へと導いていきます。
一方、マネジメントには、組織運営に関するスキルが欠かせません。部署や事業運営の複雑さを解消し、チームメンバーそれぞれの能力に合わせてタスクを割り振るために、組織運営に関するスキルを身につけさせましょう。
ただ、このあたりの説明はあくまで、「リーダー」という存在を前提にしたうえでの、スキルや行動としての「リーダーシップ」だと思います。
リーダーを置かないリトグリの中で、素晴らしいリーダーシップを発揮するかれん
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リトグリはリーダーを置かない。しかしリーダーシップはどうだろうか?と考えると、とくに、リトグリが3人になってしまったき〜今に至るまでのかれんからは「リーダーシップ」を強く感じます。大事な場面で未来を見てポジティブに物事を考える、時に厳しい意見を投げかける、時に優しく見守る。かれんの言葉や振る舞いを見ていると「どうしたらこのグループがもっと素敵になるか」を常に考えて動いているように思えてなりません。
2024年現在のリトグリで、「リーダー的な存在は?」と聞かれたら多くの人が「かれん」と答えるのではないでしょうか。
一方で、前の章で紹介した「リーダーシップとは?」で説明しているような自発的な行動を”促している”とは見えません。むしろ全員が自発的。正しい方向へ”導いている”ともみえません。全員が迷いながら、話し合いながら正しいと思われる方向を”見出している”と言う感じに見えます。
やはり、かれんは決して”リーダー”ではないのだと思います。
では、かれんに感じるリーダーシップとはなんなのか。
僕なりに表現するなら、それは「ポジティブである」ということです。特にリトグリが3人になってしまったときから今に至るまで、つまり、変化の時期に、この先どうなるのかもわからない、いろんな影響が複雑に絡み合い、何が正解かわからないような状況の中で、「未来を見続けた」こと自体が、かれんの強力なリーダーシップだったと思うんです。
リトグリの可能性を広げるためにも
リトグリには新しい仲間が必要です
なので、リトグリの可能性を広げてくれる
たくさんのいろんな才能を持った方が
オーディションに集まって来てくださると嬉しいなと思います。
リトグリの明るい未来を信じて
期待しててください!
よくこれからの時代を「VUCA時代」(Volatility(変動性)・Uncertainty(不確実性)・Complexity(複雑性)・Ambiguity(曖昧性)の頭文字をとり、社会やビジネスにとって、未来の予測が難しくなる状況のことを意味する)と言う言葉を使って表しますが、2022年から今に至るまでのリトグリもこの言葉が当てはまるのではないでしょうか。
以下の文章に「VUCA時代に注目を集めるリーダーシップとは」というタイトルであげられているリーダーシップのあり方は、かれんそのものだと感じます。
サーバント・リーダーシップ
「リーダーはどうあるべきか」という倫理観や精神性に軸足を置いたリーダー像が「サーバントリーダーシップ」です。
従来のリーダーにある権威的・支配的イメージとは一線を画し、社員・顧客・組織に奉仕する姿勢で、人々が望む目標や社会を実現するために立ち上がるリーダー像が描かれます。
「概念化」や「先見力」などコンセプトで導く力、「傾聴」や「共感」など相手を尊重する姿勢、そして「成長への関与」や「コミュニティづくり」などメンバーを活かす働きかけの特性を有するリーダーシップです。
オーセンティック・リーダーシップ
「自分自身に正直であること」を重視する存在として、倫理的な行動を選択し、共感・信頼に基づく関係を築き、組織を導くリーダーシップです。
「自分らしいリーダーシップ」と表現されることもあります。
具体的には、確固たる価値観・信念を基盤としながら、自らの目標に情熱的に取り組む。
高い自己認識で自らを律しながら、信頼でつながる長期的な人間関係を基盤に築いていく。
そのようなリーダー像です。
ポイントは、自分らしさを貫くことが、社会の利益や社会から求められることにつながっていくことです。
自然体でいることがそのまま「益」となるよう、オーセンティックなリーダーには高度な人間的成長が常に求められます。
セキュアベース・リーダーシップ
セキュアベースとは、「安全基地」です。
セキュアベース・リーダーシップは、安全と安心感といった「思いやり」を提供すると同時に、冒険やリスクといった「挑戦」への意欲をもたらします。
「思いやり」だけでは、過保護を生み、その人の可能性が限定されてしまいます。
一方、「挑戦」だけでは、不安や恐怖を与え、本能的な保身を引き起こします。
思いやりでつながるからこそ、限界に挑戦することができるのです。
2023年7月のインタビューで結海とミカは以下のように語っています。
結海:メンバー同士の仲もだいぶ深まって、最近は言いたいことも言い合える関係になれたと思うんです。そこでグループが目指す姿を話し合ったりすることで、さらにいい状態に持っていけると思っているので、それがいい形でファンの方々にも伝わったらいいなと思っています。
ミカ:結海も言うように、本当にグループの仲が深まっていると思うので、この6人の絆をもっともっと深めていって、さらにいろんなことに挑戦していきたいですし、自分のスキルももっと成長させたいなと思います。もっと上に行きたいです!
結海:最初はお姉ちゃんたちについていくばっかりだったんですけど、「グループをいい方向に持っていくためにはどうしたらいいんだろう?」とか「あ、これ質問してみようかな?」とかだんだん自分でも考えて、行動に移せるようになってきたところは、変わった部分かもしれません。
ミカ:最初は与えられた仕事を次々にこなしていくみたいに、ただただ目の前のことで忙しい日々だったんですけど、最近は少し落ち着いてきたのか、「自分はリトグリなんだ」っていう実感もどんどん強くなっていて。メンバーとしての自覚が強まったことは、以前との違いだと思います。
もちろん、かれん以外のMAYU、アサヒも含めて妹組の3人をリトグリという組織にうまくJoinできるようにしてきた結果だと思いますが、かれんの力はとても大きかったのでは、と思います。
この言葉を見ると、サーバント・リーダーシップ、オーセンティック・リーダーシップ、セキュアベース・リーダーシップがどれも発揮された結果なのだと感じられます。
でもこれらはあくまでもリーダーの存在を前提としたリーダーシップ論。
リーダーを置かないリトグリにおいては”インクルーシブ・リーダーシップ”という考え方の方が合うかもしれません。
「インクルーシブ・リーダーシップ」とは、一人ひとりが持つリーダーとしての力を引き出しながら、組織全体の力を向上させるリーダーシップのことを言います。一人の実行型リーダーが"上意下達"で統率するのではなく、各々が自主性を発揮しながら持てる力を"横に"広げ、周囲を巻き込んで組織の成果を生み出すリーダーシップが、組織のダイバーシティ化やフラット化が進む現代において注目されています。
(略)
インクルーシブ・リーダーシップは「みんなの力」を最大限に発揮することで全体的な組織力の向上につなげるのが特徴です。
こういう言葉を見ると、UNLOCKツアーでmiyouが
個性がバラバラの6人だからこそ、ひとつの歌を届けたときによりみんなに届くんだなと実感できたツアーでした
と語ったことにそのまま繋がりますね。
いろいろ細かいことを言ってしましましたが、要はリーダーシップにもいろいろあって、「かれんは現代の多様性とフラットさが重視される組織におけるリーダーシップのお手本みたいな存在である」ということ、そしてそれは実はシンプルで「ポジティブである」ということに行き着くのではないか、と言いたいのです。
「ポジティブ」とはどういう意味か
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先ほどかれんのリーダーシップは「ポジティブであること」と書きましたが、これには深い意味を込めているつもりです。
かれん自身も度々「私はよくポジティブな性格だと言われる」というような発言をしています。
「ポジティブ」という言葉はライトにとらえると「いつも明るいね〜」くらいに思う人もいるかもしれませんが、かれんの「ポジティブ」はそんな生易しいものではないと思います。
”常に”前を向き
未来を創る行動をしている
たとえ、傷ついて辛くても
たとえ、他の人が後ろ向きになりかけても
たとえ、自分が後ろを見たとしても
また振り返って前を見て
未来を考え実行に移し続ける
というのが、かれんのポジティブであり、リーダーシップなのだと思います。
MAYU:かれんはね、どんなときでもね、先頭に立ってくれて、いつも前向きに明るく引っ張ってくれるんですよ
アサヒ:後ろ向きだからね、私たち
MAYU:そうそう、私たちチーム後ろ向きだから
かれん:でも、ほんとに2人が前を向いて、3人でこのツアーやるって行ってくれたことが、すごく嬉しかったの。伝わってる?
MAYU:うん、うん、伝わってるよ
アサヒ:当たり前やー!
MAYU:当たり前やろ!
いつでも、どんなときでも、前を向いていてくれるかれんという存在は、この9年間ずっと大きくて
僕らファンから見えるかれんのリーダーシップはライブでのMCやちょっとしたメンバーとのやりとり、インタビューなどくらいです。でも、ここでMAYU、アサヒが言うように、日頃から「前を向く」というリーダーシップにつながるような行動や発信をし続けてきたのだと思います。
僕らファンは2024年発売のNYLONや、10th Anniversary LiveのMCで、いくらポジティブと言われるかれんでも「しっかりと傷ついていた」ことを知りました。それでも、前を見続けたこと、それがかれんの強さであり、リーダーシップであり、愛なのだと知ることができました。
かれんの涙はリーダーシップの証
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リーダーを置かないリトグリ。
その中で一際大切なリーダーシップを発揮するかれん。
多様であることをパワーに変える第2章リトグリ。
そして感動で迎えた10周年。
これってすごいことだと思いませんか。
ちょっと俯瞰して解釈するなら、
・リトグリはVUCAな状況をいくつも乗り越えた組織
・リトグリは多様性という意味でも、フラットさという意味でも最先端の組織
・その中でのリーダーシップの取り方も最先端
僕らがリトグリ、特にかれんから学ぶべきは、「これはお勉強をすればできる、というものではない」ということではないでしょうか。
かれんの素晴らしいリーダーシップは、Journey幕張のあの場面で、10th Anniversary Liveのあの場面で、涙を流すかれんがいてこそのリーダーシップなのだと思います。それを「こだわり」というのか、「愛」というのか、「ポジティブ」というのか、適切な言葉がわかりませんが、僕はあの涙にすべてが凝縮されているように思います。
「かれんはリトグリを背負って活動してきたんだ」
きっとみんながそう思ったはず。
これからの時代に大切なリーダーシップのあり方を常に見せてくれるかれんを僕はこれからもずっと追っていきたいと思います。
※サムネイル画像にはこちらの動画のキャプチャを使用しています。