『MAGARA(マガラ)』長田裕幸 タバコの煙、バイクの爆音、工場の油の匂い。とにかく凄い熱量!なぜこれが1巻だけなのか。納得がいかない・・・。
1997年講談社ヤングマガジン増刊「EXACTA(エグザクタ)」に掲載されていた作品。
も、もう20年以上前の作品ナノカ・・・。
当時、この作者さんの作品は全く知らなかったのですが、本屋で表紙を見てひとめぼれして「ジャケ買い」した一冊です。
高成(コーセイ)、大黒(ダイコク)、多蓋(タフタ)、悠吾(ユーゴ)の4人が暮らす国は、どこもかしこも工場だらけの国。この国では国民全員、中学卒業後16歳になったら工場で働くことが義務付けられています。
卒業前の4人は、日々他の仲間と一緒にバイクで暴走行為を繰り返し、取り締まりの公僕との衝突もしばしば。
ある日、公僕に追いかけられた4人は逃走の途中で、この国が工場で「本当は何を作っているのか」を知ってしまう・・・。
工場の国の閉塞感!コーセイ達の疾走感!
このnoteを書くために、久々に引っ張り出して読み直してみましたが
やっっっぱりこの世界観と絵がかっこいい!
荒めの線がとても力強くて、若い主人公達の国に対する反抗心とか、生命力とか、爆発力とか、躍動感にぴったり合う!
さらに、その主人公達が生まれ育った工場の国の風景もいいんですよ!
無骨な工場のシルエットで埋め尽くされた空。
禁止された酒を密かに売る飯屋の店内。
暗く汚れた路地裏、プラス痩せた犬(←やっぱり痩せた犬は必須)。
それら背景が細かく書き込まれていて、この国の閉塞感と”謎”な感じをものすごく盛り上げます。
『MAGARA』(長田裕幸/講談社)より引用
『MAGARA』(長田裕幸/講談社)より引用
なぜ全1巻なのかがわからない。悔しい。
残念なのは、ストーリーなんです・・・。
設定もキャラも世界観も、もう本当に大好きなんですが
全1巻で終わっているため、情報量の割にはあっさりしているんです。
いやいやいや!!本当はもっと後ろにあるんでしょ!隠しきれてないよ!
なんで出さないの!こんなもんじゃないでしょ!
聞きたいこと色々あるのに!!
実際に作者のあとがきにも「本来全72巻になる」とあるので、本当はもっと大きな物語だったんでしょう。悔しい!
ああ、本当に悔しい。
いつか完全版を描いてくれないかな・・・(無責任)。
『MAGARA』(長田裕幸/講談社)より引用
この『MAGARA』の後の作品が気になって「長田裕幸」の名前で追いかけていたんですが、「長田悠幸」に改名されていたんですね・・・。
知らなかった。うう。
「C【si:】(シー)」まではわかってたんだけどな・・・。
今の長田さんの作品も読んでみようと思います!
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?