『賢者の贈り物』
この短編小説はオー・ヘンリーの代表作で、クリスマスの時期にはお馴染みなので、ご存じの方も多いと思います。
私はこの物語を高校生の頃、初めて知りました。英語の授業の教材になっていたからで、英語が苦手だった私は四苦八苦したのを覚えています。
子どもたちが中学校に進学した頃、書店でこの絵本を見つけて購入しました。文章が多く、小さな子どもたちへの読み聞かせにはちょっと不向きですが、読書感想文の宿題などにはお勧めです。
「賢者の贈り物」は原題を"The Gift of the Magi"
このMagiとは、キリスト教での『マタイによる福音書』(2章1節~13節)に登場する占星術の学者たちのことを指します。
賢者は星を見てキリストの降誕を知り、東方から贈り物を持ってやってくるのですが、母マリアと共におられた幼子に「宝の箱を開けて、黄金、乳香、没薬を贈り物として献げた。」とあります。
この物語りに登場する貧しい夫婦は、お互い相手の事を想い、大切なものを失うという犠牲を払いながら、それぞれ愛する人が喜ぶ贈り物を用意しました。それは悲しいすれ違いになってしまいましたが、作者はこの物語の主人公ふたりに「彼らこそ本当の当方の賢者なのです。」と言っています。
私は今年も家族にクリスマスプレゼントを用意し、それぞれに贈りましたが、この物語の夫婦のように「賢者」と呼ばれるような奉仕の心で用意をしたわけではありません。今必要なものか、金額的に妥当かなど、様々な計算が隠されたプレゼントです(笑)
それでも喜んでくれれば私も嬉しい。本質的には心の距離が傍にあって、互いに大切な存在だと思えることが重要なのだと感じています。
今日はクリスマス。
家族や大切な人への贈り物を、24日のイヴの日に交換する人も多いと思いますが、イエス・キリストの降誕祭は12月25日です。
宗教や信じるものはそれぞれで違うと思いますが、せっかくクリスマスイベントを毎年楽しんでいるのですから、今日はイエス・キリストの誕生日をお祝いしましょう。