『はるまでまってごらん』兄弟が産まれる前に読んであげる絵本
子どもを出産してからは、言葉を話せない幼い我が子との意思疎通を図る為に、絵本の読み聞かせをするようになりました。
長男が2歳になった頃、次男の妊娠に気が付きました。
長男はこの絵本の主人公のスマッジのように、弟や妹を欲しがっている様子もなく、自分がある日突然お兄ちゃんになった時、どんな風に受け止めるのかが心配になりました。
私自身も、長男一人の子育てさえままならないのに、この上もう一人新乳児の世話が増えることに、ある程度の覚悟が必要でした。
絵本の中で、うさぎのスマッジは、方々を弟や妹を探し回ります。
周りの子にはみんな兄弟がいるのに、自分だけいないからです。
その都度周りの大人に「春まで待っててごらん そうしたらわかるから」と言われます。
すると春になったある日、母親から赤ちゃんを見せられます。弟が二人、妹が一人の三つ子が家にいたのですから、スマッジは大喜びです。
私のように二人目を妊娠していて「あなたに弟か妹ができるのよ」と、もうすぐお兄ちゃんになることへの心づもりを促したい時に読んであげると良い絵本だと思います。
世の中には一人っ子が沢山いるし、どんなに望んでも弟や妹を望めない子たちもたくさんいます。
そういう子たちにはちょっと酷な内容なので、子どものその時の気持ちを鑑みて、読むタイミングを計って欲しいと思います。
もちろん、兄弟がいるいないにかかわらず、こうした絵本で疑似体験することができるので、あまり考え過ぎずに読み聞かせしてあげても良いのもかも知れません。ですが集団での読み聞かせで、兄弟がなくて本当に寂しさを感じている子どもがいたとしから、この絵本の「これで もりのみんなだれにも うれしいほんとうのはるが やってきました。」というエンディングは、その後のフォローが必要のように感じます。
さて、我が家の長男の当時の反応は、特に兄弟が欲しがっていた訳ではないので、ピンとこなかったのか「ふ~ん」といった感じでした(笑)
両親と自分の3人での暮らしが長男にとって当たり前で普通のことだったので、この絵本で弟とか妹の存在を初めて知ったのかも知れません。二人目の出産前に心の準備をと思っていたのですが、空振りとなりました。
色々書きましたが、この絵本はスーザン・バーレイの絵が、ずっと眺めていられるほど素敵で、ページを捲って絵を見るだけでも癒されます。
我家の本棚のディスプレイスペースに、冬の寒い頃に飾りたくなる絵本の中の一冊になっています。