高度経済成長への憧憬
冬至、新緑、昭和、旅行の行きしな、何かを始める時、子ども、など。
私は右肩上がりのものが好きだ。吹田の万博記念公園にあるEXPO'70の展示をみるとすごく興奮する。ここから日本はどんどん成長してくんだ!という熱気を当時と同じように浴びてみたい憧れがある。あとはエネルギーに溢れてそうという意味で、東京や地中海、自然光で明るい部屋なんかも好きだ。
なぜ冬至が好きかというと、その日からだんだん日照時間が増えるからだ。
大晦日前日に、『戦後日本の設計者 3人の宰相』という番組を観た。おばあちゃんちで見れる番組の4つの選択肢から、一番マシそうなのを選んだ。吉田茂から始まり、岸信介、田中角栄という戦後の日本をそれぞれの思惑で支え、変えていった総理大臣たちのドキュメンタリーだ。
社会の資料集でしか学習してこなかった歴代総理大臣の名前。「田中角栄=ロッキード事件」みたいに覚えただけなので、ほぼ前情報無し、ネタバレ無し、(常識無し)の状態で番組を観た。
観てみたらめちゃめちゃ面白くて、なんならこの分野私好みやん、ということに気がついた。3人に共通するのは、日本というどでかい国家を身内と認識して、国内外に対して凄まじい影響を与えていったことだ。
政治に関して超絶無知な私が今の政治を一言で表すとしたら、「整」だと思う。整え、調整し、整備する。多少の変化はあるだろうが、どの政党になっても私の生活が左右されるだけで、日本としての大きな方向性がガラッと変わるとは思えない。豪腕でワンマンプレーな政治家もいない。
対して、当時の政治を一言で表すとしたら「革(かく)」だ。(政治に興味を持ち始めて1週間の感想!)戦後の日本を支えた政治家の中には何人も莫大なエネルギーを持った人たちがいて、国内のことも、外国(特にアメリカ)との関係もごりごり変えていっていた。
現代でも突出したエネルギーの持ち主はたくさんいると思うけれど、職業が無限にあるから当時ほど政治に関心が向かないのかも。国も政治もそれなりに成熟しているし。そこが現代と当時との違いかもしれない。高度経済成長の独特の熱気の中、政治家たちがそれぞれの思う理想の国家のために奔走し、その連鎖の結果として大きく時代が動いた。
彼ら政治家の行ったことは良くも悪くも、当時の日本に大きな影響を与えたと思う。私はその、国家の行く末を身内事として捉え、変えていこうとするエネルギーの大きさがすごく良いな、と思った。右肩上がりで成長(?)していく日本と、当時の政治家たちのエネルギーは私の好みと親和性がありそうだ。今年は昔の政治について勉強しようと思う。
番組で取り上げられた3人は全員魅力的で、特に田中角栄が気になった。人柄についてはさらっとしか触れられてなかったけど、私が最近こういう人になりたい、と思ってる人物像に似てる気がする。
その流れで現在の政治にも興味が持てれば、「選挙行ったで」と言うためだけに選挙に行くという不毛な行いをやめるきっかけになるかもしれない。清々しいほどに、手段が目的化している。
お笑い、野球、音楽、政治が好きってなると、いよいよ面倒くさい人間に両足を突っ込むことになりそうだな。
おわり!